2013年03月31日

【三様菜】干焼鱔段

揚げ田ウナギのどっさり唐辛子炒め
干焼鱔段(gan1shao1 shan4duan4)
P1080550.JPG
【ところ:工人体育場/ねだん:98元】

思い出した!
ドジョウのほかの名物料理のうち1つはこれだ!

辣子鶏の田ウナギ版。
と言ってしまえばそれまでだけど、
この田ウナギが旨かった!

ちなみにここの辣子鶏はこんなの。

山城辣子鶏(shan1cheng2 la4ziji1):58元
揚げ鶏肉のどっさり唐辛子炒め

P1080551.JPG

鍋巴(guo1ba)=おこげが入っているところが珍しい!

田ウナギって、
火鍋の具にするか響油鱔糊でしか食べたことなかったけど、
こうやって揚げるとミチーッと身がしまって
ビーフジャーキーみたいな感じになるんだなあ。

噛めば噛むほど旨味がニジジッと湧き出てくる感じ。
皮のところが香ばしくて、しかも骨ごとバリバリいける。
鶏の唐揚げとウナギの骨チップスを同時に楽しめる感じだ。
酒も進むこと間違いなし!

見た目ほど辛さは強烈じゃないし、
これは意外に日本人にも受け入れやすい味かも。

ドジョウもいけたけど、これも心に残る一皿だった。


▼これまでの「三様菜」関連記事
【三様菜】口福泥鰍
【三様菜】涼拌素三様


◆お店情報
三様菜
朝陽区工体北路8号工人体育場北門西側
010-6552-3499
P1070471.JPG
<アクセス>
工人体育場の北門を入り、
スタジアムに向かっていくと右手に見えてきます。

*料理はどれも
「不要放味精(bu2 yao4 fang4 wei4jing1)」(化学調味料を入れないでください)
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2013年03月30日

【三様菜】涼拌素三様

十六ササゲ、レンコン、ニガウリの四川風和えもの
涼拌素三様(liang2ban4 su4san1yang4)
P1070475.JPG
【ところ:工人体育場/ねだん:26元】

三様菜というお店は、
その名の通り「3つ」、「3種類」にとてもこだわっているようで、
メニューのそこここに「三様」が散見される。
昨日ご紹介したドジョウ料理も名物料理3つのうちの1つだし、
(ほか2つが何か忘れた)
ほかにも3種類の素材を使ったなんとか「三様」という料理がいくつかある。

これは中でもお店の代名詞的存在になっている一品。
豇豆(jiang1dou4)=十六ササゲ、
蓮藕(lian2ou3)=レンコン、
苦瓜(ku3gua1)=ニガウリ
の3種類の野菜を使った前菜だ。

P1070476.JPG
(ニガウリは下に潜っている)

前菜だけあって最初に出てくることもあり、
いきなりこの激辛ダレの洗礼はかなりの衝撃だ。
慣れればそこまで辛くはないし、
辣(la4)よりは麻(ma2)のほうが前面に出てくるので、
耐え難いほどではない。
漬け物を細かく刻んだものが入っていて、
発酵の酸味と旨味が加わっているのもまた乙だ。

それにこの劇辛ダレの刺激が、
十六ササゲのみずみずしさ、
レンコンのぽっくりとした甘み、
ニガウリの苦味をいっそう際立たせる効果を果たしている。

地味な前菜ながら、看板料理の貫禄十分!
このお店に行ったら必ず頼みたい一品だ。


▼これまでの「三様菜」関連記事
【三様菜】口福泥鰍


◆お店情報
三様菜
朝陽区工体北路8号工人体育場北門西側
010-6552-3499
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工人体育場の北門を入り、
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2013年03月29日

【三様菜】口福泥鰍

ドジョウと血豆腐のたっぷり山椒煮
口福泥鰍(kou3fu2 ni2qiu1)
P1070486.JPG
【ところ:工人体育場/ねだん:88元】

小さい頃、家では時々ドジョウを買っていた。
父の好物だったからだ。

台所の床に置かれた青いバケツの底で
クチクチ、ペチペチとのたうつドジョウたちは、
その晩のうちか翌日には醤油でさっと煮つけられて食卓に上った。
柳川なんていう手の込んだ(込んでないか)ものではなくて、
本当にドジョウを醤油味で煮たもので、
それでも泥臭さを感じたことはなかったなあ。
大きななりのドジョウを食べるのはなんとなく怖くて、
私はいつも小指大のちびっこドジョウだけをもらって食べたものだった。

北京でドジョウ料理を食べることはほとんどない。
一般的なレストランのメニューにはほぼ載っていないと思う。
少なくとも私は見たことがない。
平野部の水田や湿地に生息するドジョウは、
乾いた北京の大地では生きていけないのだろう。
自然、食べる習慣もない、というわけか。

でも、北京でもドジョウを食べる地方のレストランなら、
ドジョウ料理にお目にかかることができる。
工人体育場の敷地内にある三様菜もその1つ。

P1070468.JPG
(北門から入ってスタジアムの右手)

P1070471.JPG

店内はこんな感じ。

P1070472.JPG

三様菜は重慶料理のお店。
江湖菜(jiang1hu2cai4)をテーマにしたレストランだ。

江湖というのは江湖客(jiang1hu2ke4)と同義で、
「旧時、香具師(やし)あるいは旅芸人•薬売りなどの行商人またその商売。
 俗に〔金、皮、彩、挂、平、団、調、柳〕の8種をいう。
 すなわち、易者•薬売り•手品使い•大道武芸者•講釈師•漫才•ペテン師•旅芸人」。
(中日大辞典より)

渡世人、流れ者、フーテン、ヒッピー(これは違うか)といった感じ?
まあ何にしても、
どこか一つところに落ち着かず全国を渡り歩く人たちっていうことなので、
ビールもこんな風に供されるのね。

P1080538.JPG

これ、慣れると飲みやすいし、
片手で巻き込むようにしてクイッと飲む動作が時代劇じみててカッコイイ。

P1080539.JPG

本題からそれた。
ドジョウである。

この三様菜の名物料理の1つがこのドジョウ料理。
ドジョウと鴨血(ya1xue3)=鴨の血豆腐、または血プリンを
これでもか!オリャーッ!てなものすごい量の花椒を使って煮たものだ。

P1080559.JPG
(これはトップの写真とは別の日のもの)

水煮魚と違って辛さはそれほど強烈ではない。
前面に来るのは花椒の爽やかな刺激!
麻(ma2)=ビリビリくる痺れはもちろん強烈なのだが、
カーッと熱くなる感覚ではなくてむしろクールな清涼感がある。

P1070487.JPG

主役のドジョウは胖泥鰍(pang4 ni2qiu1)なんて呼ばれるくらいの巨大サイズ。
私が子供の頃に家で食べてたヤツの2倍近くはあるんじゃなかろうか。

P1070489.JPG
(頭を落としてあるので全長は不明。
 でもそのおかげで視覚的に抵抗がなくて食べやすいという人もいるかな)

ちなみに東京の老舗どじょう料理店、駒形どぜうのものと比べると、
10倍くらいは違いがあるような気がする。

さすがにここまで巨大だと骨も結構立派なもので、
骨ごとつるり、というわけにはいかない。
箸で骨から身を外しながら、
または軽く歯を立ててからこそげるようにして食べることになる。
だからだろうか。
慣れ親しんだドジョウの味というよりは、
むしろマスのような淡水魚の身の味がする。

鴨血も忘れてはいけない。
「お前はいったいやわらかいのか?かたいのか?」
と思わず尋ねたくなるむにっとした弾力、
そしてそっと噛んだ時のキコキコという不思議な食感。
一度好きになってしまうとたまらないんだよなあ。

しっかり煮汁の味がしみこんでいることもあり、
血なまぐささはほとんど感じない。
敬遠せずにぜひ食べてみてほしい食材だ。


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2013年03月28日

【mesa&manifesto】欧陸菜

欧風料理
欧陸菜(ou1lu4cai4)
P1080744.JPGP1080746.JPG
P1080748.JPGP1080749.JPG
【ところ:三里屯/ねだん:記事参照】

mesaは三里屯Village北区に新しく出来た欧風料理レストラン。
上海にもあるそうで、その北京支店ということらしい。
北京の英字フリーペーパーでなかなかの高評価を得ているというというので、
さっそく訪ねてみた。

場所は三里屯Village北区の一番北側にある横長のビルの3階。

P1080735.JPG

三里屯Village北区って、ホント、北京じゃないみたい。
テナントに高級ブランドショップばかりが入ってるけど、
買う人いるんだろうか……いるんだろうな、きっと。

お店は1階部分がレストラン(mesa)、
2階部分がバー(manifesto)という造りになっている。
食事前にバーで軽く一杯、なんて使い方もできる。

私たちはがっつり食事。
まずはみんなでシェアできるこの盛り合わせ。

Mixed Tid Bits:98元
小吃拼盤(xiao3chi1 pin1pan2)

P1080744.JPG

ベビー・バーガー、チキン・サテ、エビのゴマ風味揚げ(ニョクマムソース)、
それにフンムス。
さらにパンも盛り盛り。

パンといえば、食事が出る前にサーブされるパンもなかなか美味。

P1080739.JPGP1080740.JPG

これを食べ過ぎちゃうのが西洋料理レストランの難点だよなあ。
貧乏症なのと、最初の料理が出るまで我慢できないんだよね。

どれも特に難癖をつけるところもなく、平均値的においしい。
エビのゴマ風味揚げがなかなかよかったかなあ。
あと、捨てがたかったのはフンムス。

かなりボリュームあり。
この日は4人だったのでスターターはこれで十分なくらいだったが、
加減が分からず前菜をさらに2品も注文しちゃっていた。

Caesar salad:68元
凱撒色拉(kai3sa4 se4la1)

P1080745.JPG

ポーチドエッグ、パンチェッタ、パルメザン、ガーリッククルトン入り。
ポーチドエッグ入りなところが本格的シーザーサラダとのことだが、
それを教えてくれたI氏は半熟卵NGなため回避。
そしてこの「クルトン」。
立派にガーリックトーストだよね、このサイズじゃ。

チーズもたっぷり入っているし、野菜もフレッシュでシャキシャキ。
ロメインレタスがドドーンと使われているのも北京では珍しいかな。

Roasted pigeon:88元
香烤乳鴿(xiang1kao3 ru3ge1)

P1080746.JPG

エシャロット、マッシュルーム、トウガラシ、ベーコンのロースト、
それからstone fruitサラダ添え。
このstone fruit、中国語メニュー名では油梨(you2li2)とあった。
油梨(または牛油梨)は通常だとアボカドなんだけど、
これはどう見てもプラム……だよなあ?

ちょっと甘めのBBQソースみたいなタレがしっかりしみていて、
普段「えっ?ハト?」と敬遠してしまう人にも割合食べやすかったと思う。
でもみっしりと密度の高いしまった肉質や、
ハト独特のほんのりとした甘みはきちんと感じられた。
ハト苦手なRさんも、ハト大好きの広東少女さんも、
どちらも満足できる味だったのでは?

ここまでですでに結構お腹いっぱいになってしまう量になってしまったが、
メインも3つ取っていた。

Whole roast stuffed baby chicken:178元
香烤小春鶏(xiang1kao3 xiao3chun1ji1)

P1080747.JPG

ハチミツ風味のカボチャのローストが添えられてくる。
このカボチャがね、主役を食ってしまうくらいおいしかった。

チキンは皮目は香ばしく焼けていて、
中にはハムだのジャガだのぎっしりで食べ応え十分。

P1080751.JPG

最後は骨ごと手で握って、ガツガツかぶりついた。

Roasted king prawn:188元
炙烤大明蝦(zhi4kao3 da4ming2xia1)

P1080748.JPG

ジャスミンライス、カニ入り春卷が添えられていて、
マイルドなカレーソースがかかっている。

これがなかなか美味。
カレーソースもクリームたっぷりで辛さはほとんど感じず、
あくまでタイ料理の雰囲気を取り入れた「タイ料理風」にとどめてあって、
誰でも好き嫌いなく食べられそう。

エビもよかったのだが、むしろサイドで添えられた春巻のほうが出色。
春巻だけで単品メニューにならないかなあ。

そしてこのお店の売り、炭火グリル。
ラインナップは、
ティラピア、ノルウェー・サーモン、ラム・ラック、
オーストラリア・ビーフ(テンダーロイン)、オーストラリア和牛(テンダーロイン)、
ポーク・チョップなど。

私たちはラム・ラックとポーク・チョップで迷って、
羊肉グリル久し振りだし、ミントチャツネがおいしそうということで、
ラム・ラックでまとまった。

Char-grill(rack of Australian lamb):258元
炙烤羊排(zhi4kao3 yang2pai2)

P1080749.JPG

ガーリック・コンフィ、ミントチャツネ添え。

うん、やわらかいし、臭みもないし、正解!
ガーリック・コンフィとミントチャツネもなかなかよく合っていた。

火入れは若干行き過ぎた感もあったけど、
それは注文時にきちんとお願いすれば対応してくれそう。

炭火グリルはプラス18元または28元でサイドが頼める。
私がわがままを言わせてもらって、ポレンタをもらった。

cheesy polenta:28元
香濃芝士玉米糊(xiang1nong2 zhi1shi4 yu4mi3hu2)

P1080750.JPG

ポレンタ好きなのさ。
チーズたっぷりでリッチな味わい。

***

正直に言うと、
英字フリーペーパーがそこまで高い評価を出すほど
何かが特別大絶賛するくらいおいしかったわけではなかった。
(もちろんおいしかったのだが)
「んもう、おいしいから今すぐ行ってみて〜!」
とみんなに言いたいような大興奮を覚えるようなお店というよりは、
ケチをつけるところのない平均値以上の味を提供してくれる安心のお店、
という感じだろうか。

でも北京在住西洋人には評価高いみたいで、
西洋人率、高かったなあ。

それと芸能人。
この日は、隣の席に夏雨(「太陽の少年」で主役を演じていた俳優さん)がいた。
ま、反応してたのは、
中央戯劇学院留学経験のある私と広東少女さんくらいだったけど。

夏雨は私が留学してた頃本科に在学中で、
学内でももちろん見かけたし、演劇学科の発表会を観たりもした。
別段かっこいいと思ったことはなかったが、
すでに芸能人としてキャリアも積んだ今はなんだか貫禄が出て、
ちょっと目を見張るものがあった。
常に見られていることで、
水際立った雰囲気を身にまとうようになったってことかなあ。

話題になりつつあるお店のようなので、
今行くと誰かスターに会えるかも?

余談だけど、
「夏雨(xia4yu3)だ!」って本人のすぐ側で言うとばれちゃうので、
「なつあめ」さんと呼ばせていただいた。
「陽光燦爛的日子」もNGなので「太陽の少年」、
「姜文(jiang1wen2)の映画」も分かっちゃうから「がぶんさんの映画」。
*正しくは「きょうぶん」さんでした(汗)
こういう時、日本語読み(と日本語タイトル)って便利だわあ。

そしてさらに余談。
隣に座っていた、これも業界人っぽい男性の着ていたパーカーには、
日本語で「スピード狂」という刺繍があった。
「落ち着いてきたとは思ってたけど、なんか、ぼちぼちホントに大丈夫かも?」
と昨秋以来の緊張が少しほどけたような気がした。

***

それにしても、4人とは言え、
「いったいどれだけ食うんだ??」という感じの量を頼んでしまった。
こんなにビッグ・ポーションだって知らなかったのだ。
次回からはもっと品数を減らして、
デザートプレートまでたどりつくぞ!
夏雨たちが食べてたのがすごくおいしそうだったんだもん。

飲み物は、白(リースリング)、白(シャルドネ)、赤(シラー)とワインを3本。
ワイン代はなんとIさんがおごってくださったので(ありがとうございます!!)、
食べ物代のみで1人300元くらいになった。
安くはないな。
でもこの日は明らかに食べすぎなので、
もう少し量を加減すればもっと安く済むと思います。


◆お店情報
mesa&manifesto
朝陽区三里屯路11号三里屯Village北区3号楼3階n3-32号
010-6417-9397
P1080735.JPG
<アクセス>
三里屯Village北区の一番北側にあるビルの3階。
ASCのワインショップ「蔵酒軒」やロレックスの入っているビルです。


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2013年03月27日

【無名居】“国宴級”淮揚菜

「政府主催宴会」級の江蘇省揚州地方料理
“国宴級”淮揚菜
P1080686.JPGP1080688.JPG
P1080690.JPGP1080694.JPG
【ところ:麦子店/ねだん:記事参照】

ああもう、今さらって感じだとは思うのだけれど、
実は私、無名居は初めて。

P1080682.JPG

本店は西直門のほうにあるのだが、
私が行ったのは麦子店街にある燕莎店。
麦子店街は本当によく通るし、
もちろんお店があるのもここが名店だってことも知っていたのだけれど、
なんだか敷居が高くて敬遠していた。
留学生から北京生活をスタートした私には遠い存在だったのだ。

何しろ「国宴級」である。
「政府主催の宴会クラスの料理を出す外国要人接待用のレストラン」だもんなあ……
1972年のニクソン訪中の際も無名居でもてなされ、
ここの清湯獅子頭を大絶賛したんだそうだ。

政府主催の宴会で出される料理は各地の料理のおいしいトコ取り。
もともとの味をベースにしながらも、
辛さや油っこさ、甘さを抑えて外国人でも食べやすくアレンジしてある。
特に無名居は
穏やかな味付けの江蘇省揚州地方の料理=淮揚菜をメインにしているので、
(といいつつ、杭州あたりの料理も入っているので、
地域的には江蘇・浙江料理くらいの広いイメージかな?)
日本人にとってはとても親しみやすい味ということになるのだろう。

透き通ったスープで煮込んだ肉団子の清湯獅子頭(qingqtang1 shi1zitou2)、
押し豆腐の細切りをスープでさっと煮た大煮干絲(da4zhu3 gan1si1)、
杭州の名物料理で鶏を蓮の葉でくるみ土で包んで蒸し焼きにした叫化鶏(jiao4hua4ji1)、
タウナギを旨煮風に炒め煮した響油鱔糊(xiang3you2 shan4hu2)
などが名物料理。
フランス風のエスカルゴのグリルなんてのが入っているのは、
外国人接待用のレストランらしい。

さて、前置きはこのくらいにして、食べた料理のご紹介をば。
まずはやはり、何を置いてもこの料理。

清湯獅子頭(qingqtang1 shi1zitou2):58元
肉団子のスープ煮

P1080686.JPG

獅子頭と名のついた料理には、
この清湯で煮込んだタイプと
紅焼(hong2shao1)=醤油煮込みにしたタイプがある。
重口味(zhong4kou3wei4)=好みが濃い口な私にはどちらも捨てがたいけれど、
このお店で食べるならやはり清湯だろう。
日本人の口に合うのもこっちかな。

乙女がそっと真綿をたなごころに包み込んでいるような(例えがオッサンだな)
ふっくらやわらかな肉団子を、
これまた清らかなスープで上品に煮込んである。
中に入っているシャキシャキはクワイ?レンコン?

P1080687.JPG

んー、うまー。
さすがに名物、噂にたがわず美味。
それにほんとにやわらかいんだなー。
これなら歯がなくなっちゃったお年寄りでも問題なく食べられそう。

でも、なんていうんだろうな……
そのやさしさ故に、今ひとつ物足りないというか。
「どうだ!!」とグイグイ強引に押してくる「オレがオレが!」感が薄くて、
ハートをガッチリ鷲づかみにされることはないというか。
北方の粗野な料理になじんでしまったからかしら。

そして1個は多いな。
この日みたいに2人で半分ずつ分けて食べてちょうどいいくらい。

スター料理を押さえた後は、前菜を2つ注文。
ご飯を食べに行ったわけだけど、もちろんお酒も飲むわけで、
そうするとツマミも欲しくなるわけなのだ。

金陵塩水鴨(jing1ling2 yan2shui3ya12):58元
ゆでアヒルの塩味スープ漬け

P1080684.JPG

南方菜のお店に行くとほとんど例外なくこれを頼んでいるな。

▼塩水鴨マニアぶりはこちらで。
【南京大牌檔】南京菜
【科力淮揚村】淮揚菜(之二)

P1080685.JPG

こうね、骨周りをしゃぶって旨味エキスを吸う感じがいいんだなあ。
少しずつ、ゆっくり。
酒のアテにぴったり。

私房芥菜(si1fang2 jie4cai4):48元
芥蘭菜とホタテ干し貝柱の和えもの

P1080683.JPG

野菜ものの前菜が欲しくて頼んだもの。
油を使っていなくてさっぱりしているというので注文。
一緒に和えてあるのはホタテ干し貝柱。
青みの強い、少し苦味のある芥菜と貝柱の旨味の組み合わせ、
なかなかよし。
日本人的には、菜の花をイメージして芥子醤油和えなんてのもいいかも。

臘肉炒野笋干(la4rou4 chao3 ye2sun3gan1):88元
塩漬け干し肉と干し天然タケノコの炒めもの

P1080688.JPG

「肉団子のほかに何かお肉ものを食べたいなあ。
 でもあまりにも定番の料理もつまらないし……」
と思ってメニューを繰って結局目に付いたのがこれ。
あんまり江南の料理っぽくはなかったが、
干しタケノコがどっさり入っていて、
タケノコに目がない私は大喜びだ。

ほんの少し辛さをきかせたテンメンジャン風の味付け。
気前よく分厚く切った干し肉がほどよい塩気で、
量を食べてもそれほどしつこく感じない。
そして何より、
干しタケノコのシャクシャク、コリコリとした歯ごたえが楽しくて飽きない。

肉汁蘿蔔(rou4zhi1 luo2bo):68元
大根の肉汁煮込み

P1080691.JPG

本当は豚バラ肉の煮込みでもドーンといきたいところだったのだが、
この日は2人だったので肉料理は控えて素菜(su4cai4)を。
とはいえ、肉汁(牛肉ベースのスープ?)で煮込んだ大根。
醤油煮込みを想像していたのだが、
出てきてみたら赤レンガ色でびっくり。

P1080690.JPG

腐乳の色かな?
肉汁の味が大根によ〜くしみていて、とてもよかった。

主食はそれぞれ麺をすすった。

陽春麺(yang2chun1mian4):10元
上海風かけそば

P1080692.JPG

結構醤油味きつめ。

上海葱油拌麺(shang4hai3 cong1you2 ban4mian4):18元
葱油混ぜ麺

P1080694.JPG

ダメと知りつつ、見かけるとついつい頼んでしまう葱油拌麺。
なぜダメか。
それは、私の味の記録帳には葱油拌麺の最高峰が刻みつけられていて、
いまだかつてそれを越える葱油拌麺に出会った試しがないからだ。

▼葱油拌麺の最高峰
【滄浪亭】上海食い倒れ紀行(三食目)
(いつの間にか、また見られるようになってました、FC2ブログ。
 ああ、麗しの葱油拌麺よ。
 君の姿を拝むのも久し振りだなあ)

そしてその最高峰は、
店の立ち退きと再オープンを経てその本来の味を失い、
もはや幻の味と化してしまった。
葱油拌麺を食べるたびに、
「うまいが、違う。これじゃないんだ、私の求めている味は……」
と打ちひしがれずにはいられないのだ。

だったら葱油拌麺を封印すればいいのだけれど、
未練がましい私はこうしてまた葱油拌麺を頼んでしまう。

葱の焦がし加減、すべて茶色にならず鮮やかな緑が多少残っているあたりに
滄浪亭の葱油拌麺のエッセンスを感じるものの、
やはり別物(当たり前だけど)。

最初っからタレにまみれている麺も、違うんだよなあ。
あの自分で混ぜ混ぜしてタレが混ざり切ってないあたりが、
一口一口味わいが違って趣があるのになあ。

これはこれでおいしいんだけどね……

***

こうして書いていると文句たらたらという印象になってしまうかもしれないけど、
どれもおいしかった。
全般的に上品でおだやかな味付けでホッとする味だし、
とても丁寧に作っていることが感じられて気持ちがよかった。
高いことは高い。
でもたまにはいいか。
定番料理からやや外し気味のオーダーだったので、
次は看板料理を正面から食べてみようかな。


◆お店情報
無名居(燕莎店)
朝陽区麦子店街棗営北里32号
010-6502-1568/6502-1537
P1080682.JPG
<アクセス>
龍宝公寓の向い。
地下鉄10号線「亮馬橋」駅C出口を出て、
左手にある燕莎友誼商城と亮馬河の間を進み、
木製のデッキ調の橋を渡ります。
そのまま花市場の敷地を突っ切りぶつかった道を左へ。
三全公寓の横を通り過ぎ、龍宝公寓のところで右折すると、
左手にあります。



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posted by ayazi at 00:00| 北京 | Comment(0) | 地方菜(各地方の料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする