2013年04月12日

【商宇徽菜館】徽州毛豆腐

安徽風発酵豆腐の揚げ炒め
徽州毛豆腐(hui1zhou1 mao2dou4fu)
P1080817.JPG
【ところ:朝陽門/ねだん:32元】

臭桂魚や胡適一品鍋に比べるとかなり地味だけど、
(いや、この二品も十分地味だが)
さらに土臭〜くて地味〜な名物安徽料理がこれ。

毛豆腐。
読んで字の如し。
毛の生えた豆腐である。
どうして毛が生えているかというと、カビが生えているんである。
つまり毛豆腐は、カビ豆腐。
中国語でも別名を「霉豆腐」という。

豆腐を切って陰干しし、
表面に毛が生える(つまりカビが生える)まで発酵させたもの。
油でで両面を焼いてタレをからめ、
唐辛子ソースをつけてそのまま食べたり、
紅焼(醤油煮)、揚げる、炙る、蒸す、などの調理をして食べたりする。

以前安徽省の九華山に行った際には、
一度揚げたものを唐辛子をきかせたピリ辛ダレで炒め煮してあった。

P1270988.JPG
(これが九華山で食べた毛豆腐)

商宇徽菜館の徽州毛豆腐もちょっぴり辛口。
でも甘みも強くて、いわば宮保鶏丁の味に近い感じに仕上げてあった。

P1080818.JPG

どちらかというとクシュッとした食感。
食べると「ショガショガ」と音がする感じだ。
すごく水分の飛んだ厚めの油揚げ?

発酵により豆腐の旨味が増す、ということなのだが、
臭豆腐のようなねっとりとしたコクのある旨味は感じない。
強いて言えば、かすかに納豆のような風味がないでもないかな?
ちなみに臭豆腐のような強烈なアンモニア臭もない。

正直なところ拍子抜けはしたけれど、
食べてみるとこれが意外にいける。
揚げ毛豆腐の外側は香ばしく、中身は「ショガショガ」、
そこに甘辛ダレがしっかりからんでとろりん。
この組み合わせ、後を引く!

***

ところで、この毛豆腐にもある歴史的人物にまつわる言い伝えがある。
舞台は清代よりさらに時代を遡った明代。
主人公は明の太祖、朱元璋だ。

言い伝えによると、
家族と死に別れた幼い朱元璋は一時期ある金持ちの家で下働きをしていた。
昼間は牛を放牧し、
夜は作男たちと一緒に豆腐を作る生活をしていたが、
後に主人から暇を出され、路上で乞食をするようになる。
いつもお腹を空かせている朱元璋に同情した作男たちは、
毎日屋敷からご飯とおかず、それに豆腐を持ち出しては
草むらに隠しておいてやり、
朱元璋はそれをこっそり食べて飢えをしのいだ。

さて、そんなある日のこと。
よその土地に乞食に出かけて数日ぶりに帰ってきた朱元璋が、
作男たちが草むらに隠しておいてくれた豆腐を見てみると、
カビが生えて白い毛が生えたようになっている。
しかし、空腹に耐え切れなかった朱元璋はこれを焼いて食べてみた。
するとなんと、思いもがけずうまいではないか!

そして時が経ち、
元に反旗を翻した決起軍の統率者となり
十万の大軍を率いて徽州を通りかかった際、
朱元璋は現地の豆腐を使って毛豆腐を作らせ兵隊たちをねぎらった。
その後、油煎毛豆腐は徽州に広まり、
徽州伝統の味となったのだった。

……って、ホントかいな!?

前回に引き続き、
思わず口と眉に指を持っていってしまいそうになる
安徽名物料理のお話でしたとさ。


▼これまでの「商宇徽菜館」関連記事
【商宇徽菜館】黄山臭桂魚
【商宇徽菜館】安徽菜
【商宇徽菜館】胡適一品鍋


◆お店情報
商宇徽菜館
東城区朝陽門外潘家坡胡同5号
010-6551-1598/6552-2480
P1050723.JPG
<アクセス>
地下鉄2号線「朝陽門」駅のA出口を出て、朝陽門外大街を東へ。
最初の角(小肥羊のある角)を左折して吉市口路を北上し、
1つ目の信号を越えて3本目、美恵大廈のすぐ南側にある胡同(潘家坡胡同)を右折。
P1050720.JPGP1050721.JPG
しばらく行くと左手(道の北側)に入り口が見えてきます。
(入り口には「徽菜館」とだけ看板が出ています)


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2013年04月10日

【商宇徽菜館】胡適一品鍋

安徽風五目鍋
胡適一品鍋(hu2shi4 yi4pin3guo1)
P1080822.JPG
【ところ:朝陽門/ねだん:118元】

安徽料理が好きだ。
中国料理において、
安徽料理はおそらく日本人にとってマイナーな料理だと思う。
でも一度食べると意外とはまる。
なぜって、醤油を多用した濃い口の煮物が多くて、
なんだか日本の田舎のおばあちゃんが作る料理みたいなんだもの。
だからしばらく食べないでいると無性に懐かしくなって、
時折り安徽料理のお店に足を運ぶ。

その安徽料理の代表といえば、なんといっても臭桂魚。
たいていの安徽料理レストランのメニューに載っている。

▼これまでの「臭桂魚」関連記事
【池州市駐京弁餐廳】池州菜(之二)
【皖南水郷】安徽・皖南菜(熱菜篇)
【商宇徽菜館】黄山臭桂魚

そしてこの胡適一品鍋もかなりの定番料理だ。

干したタケノコ、切干大根、塩漬けしたアヒル肉・鶏肉・豚バラ肉、
揚げた豆腐、それに薄焼き卵で作った餃子(蛋餃dan4jiao3)などなどを
大鍋でグツグツ煮込んである。

P1080823.JPG
(大鍋は両方に取っ手のあるタイプが決まりらしい)

ただ具を放り込んであるのではなくて、
いくつかの層に分けて具を積み上げるようにしてある。
鍋底の一番下の層が冬瓜、タケノコ、干した大根やインゲン、タケノコの皮など、
その上に豚や鶏などのお肉、揚げた豆腐、肉団子などが乗る。
何層にも具を積み上げた後は3〜4時間じっくり煮込んで味を含ませる。

P1080825.JPG
(こうして俯瞰で見ると、鍋、でかっ!)

濃い口にしっかり味付けられた煮汁と、
じっくり煮込まれた具材から染み出た複雑な旨味。

いやあ、これはね、
いわゆる一つの「下飯(xia4fan4)=ご飯が進む」なおかずだ。
いや、「下酒(jiu3)=お酒が進む」つまみでもあるな。

P1080826.JPG
(手前のが蛋餃)

クツクツと煮え立つ鍋から、
「次は肉、それから蛋餃……」
などと、思うがままにちょっとずつつつきながら、
安徽の白酒をクイッ!
むほほ、こういう濃い口の重めの味には白酒がよく合いますなあ。

***

さて、この五目鍋に
なぜ胡適一品鍋などというなんだか文学的で雅な名前がついているのか。

この鍋はもともと安徽省績渓県というところの料理で、
元の名前は績渓一品鍋という。
績渓は今は安徽省宣城市の管轄下にある県で、
かつては「徽州三県」と呼ばれた歙県、休寧県、婺源県に次いで重要な県城だったそうだ。

名物料理には歴史上の人物にまつわる言い伝えが残っていることが多いが、
この料理も例外ではない。
言い伝えの主人公は乾隆帝だ。
(このパターンの二大スターは乾隆帝と西太后!)

乾隆帝が江南に行幸した際、
九華山から徽州府へと向かう途中ある農家に一夜の宿を求めた時のこと。
農婦が昼の残り(!)のおかずを
下に野菜、上に肉の順に鉄鍋に敷いて温めて出したところ、
乾隆帝はおおいに気に入り、農婦に料理の名前を尋ねた。
農婦が「一鍋熟」(「大鍋で作った煮物」くらいのイメージかな)と答えると、
乾隆帝はその俗なことを嫌って自ら「一品鍋」と名づけたという。
そのこころは、
「値得一品(zhi2de yi4pin3)、つまり一食の価値がある美味」。
さらには、
「皇帝と食事を共にした者は“一品”(最高の官位)と呼ぶに堪える」
という二重の意味も込められていた。
それ以降「一品鍋」は績溪のおもてなし料理になった、
ということなんだけど、はて、ホントかいな?

それはさておいて。
気になるのは、
皇帝から賜ったありがたい名前の前にさらに冠されている「胡適」である。

胡適は、五四運動の頃から白話文学を提唱した文学者・思想家・教育行政家。
北京大学教授を務め、第二次世界大戦中は駐米大使にもなった。
この胡適さんが、安徽省績渓の出身なのだ。
(ちなみに胡錦濤、正確に言うと胡錦濤の祖先も績渓出身)

▼胡適についてはこちらをどうぞ。
ウィキペディアの「胡適」のページ

胡適はよくこの「一品鍋」で客人をもてなした。
駐米大使時代にも「一品鍋」をふるまうのが常だったという。

こうして、清朝皇帝から賜ったありがたい「一品鍋」という料理名の前に
さらに「胡適」がくっついたということらしい。


▼これまでの「商宇徽菜館」関連記事
【商宇徽菜館】黄山臭桂魚
【商宇徽菜館】安徽菜


◆お店情報
商宇徽菜館
東城区朝陽門外潘家坡胡同5号
010-6551-1598/6552-2480
P1050723.JPG
<アクセス>
地下鉄2号線「朝陽門」駅のA出口を出て、朝陽門外大街を東へ。
最初の角(小肥羊のある角)を左折して吉市口路を北上し、
1つ目の信号を越えて3本目、美恵大廈のすぐ南側にある胡同(潘家坡胡同)を右折。
P1050720.JPGP1050721.JPG
しばらく行くと左手(道の北側)に入り口が見えてきます。
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2013年04月03日

【小掌灯香鍋】麻辣香鍋

麻辣香鍋(激辛五目鍋炒め)
麻辣香鍋(ma2la4xiang1guo1)
P1080796.JPG
【ところ:金宝街/ねだん:記事参照】

久々の麻辣香鍋食べ歩き隊。
今回は、金宝街にある小掌灯香鍋を攻めてみた。

というといかにも始めからここをターゲットにしてやって来たような感じだが、
実は成り行きでやって来たお店。
本当はすぐ近くにある「大年三十」という餃子屋さんに行きたかったのだが、
ネットでの評判があまりにもボロボロだったので気持ちが挫けてしまい、
「そういや、すぐ近くに麻辣香鍋の店があったけ……」
と思い至って行き先変更したというのが真相。
ネットの店内写真を見ると
お庭があってなかなか趣きのある雰囲気だったのにも背中を押された。

金宝街から胡同をひょいっと入ったところにあってちょっと隠れ家風。
でも金宝街沿いの目立つところに看板があるので実は分かりやすい。

P1080787.JPG

右にあるかと思いきや、

P1080788.JPG

その先の左側が入口。

P1080789.JPG

ほら、店名にちなんで手持ちの灯りがあしらわれていたりして、
なんだかいい感じでしょう?

……なんだけど、
店内に入ったらものすごく普通のお店だった。
(店内写真は撮り忘れました)

うーん、一応四合院っぽい造りになってるので、
もう少し手をかけて工夫したら素敵な雰囲気になると思うのに、
なんだかもったいない。
でもこの「惜しい!」感じのゆるさが逆に心地いいと言えるかも。
最近こじゃれた店が増えすぎたせいか、
この手のおしゃれになりきれてないお店のほうがホッと和むんだよなあ。

さて、麻辣香鍋である。

辛さは中辣(zhong1la4)と迷った末に、
無難な微辣(wei1la4)を頼んだ。
(調味料代として15元かかります)

具は3人がそれぞれに好物を頼んでいったら、
あっという間に10種類。
店員さんに「そのくらいで十分」と止められた。

P1080795.JPG
(最近は麻辣香鍋も、鍋ごとやボウルじゃなくて、こんな大皿で出すお店が増えた)

恒例の麻辣香鍋時計で一気にご紹介!

P1080797.JPG
(上から時計回りに)
鶏翅中(ji1chi4zhong1)=鶏手羽中:26元
藕片(ou3pian4)=レンコン:14元
青笋(qing1sun3)=ウオスン:12元
平磨iping2gu1)=ヒラタケ:14元
山薬(shan1yao4)=ヤマイモ:16元
撒尿牛肉丸(sa1niao4 niu2rou4wan2)=スープ入り牛肉団子:26元
黄喉(huang2hou2)=ノドブエ:22元
鵪鶉蛋(an1chun2dan4)=鶉卵:18元
冬笋(dong1sun3)=タケノコ:14元
寛粉(kuan1fen3)=幅広春雨:12元


撒尿牛肉丸、
かじると中からピュッとスープ(というか脂?)が飛び出してくるので
この名前があるんだけど、
最初から半分に割って合ったんじゃ意味ないよな。

この日の大ヒットはヤマイモとタケノコ。
ヤマイモはシャキシャキとホクホクの間の絶妙の歯ごたえが
なんとも言えなかった。
タケノコも風味があっておいしかった。
もう少し厚切りだともっと食感と味がはっきり分かってよかったかな?

辛さは微辣で正解。
他のお店のものより唐辛子少なめで見た目も赤くないし
最初はそれほど辛さがガツンと来ないので、
「これなら中辣でもよかったかな」と思ったが、
後からジワリジワリときいてくる。
花山椒も控えめ。
全体的にとても素直な嫌味のない味で、
さらりといくらでも食べられる。

龍順園のような複雑で奥深い味わいはないけど、
このあっさりしたストレートな味も捨てがたい。
おかげで10種類の具をきれいに食べつくした。

P1080799.JPG
(これで私も「光盤族」の仲間入り!)

あと2〜3種類頼んでもよかったかも。
次はもう少し人数を集めて、
目に付いた具を片っ端から注文しよーっと。

▼これまでの「麻辣香鍋」関連記事
【龍順園麻辣香鍋】麻辣香鍋
【辣麻香鍋】麻辣香鍋
【楽食派麻辣香鍋】麻辣香鍋

***

麻辣香鍋のほかに注文したのはこの前菜2つ。

紅油百葉(hong2you2 bai3ye4):28元
センマイのラー油ダレ和え

P1080791.JPG

涼拌豆苗(liang2ban4 dou4miao2):22元
豆苗の和えもの

P1080793.JPG

豆苗をゆでて和えものにするって、意外とない発想だな。
自分でもやってみよっと。

それと、ご飯。

麻辣香鍋が出たら、すかさず店員さんが
「ご飯いりますか?」
と聞いてきたので、思わず頼んでしまった。
麻辣香鍋にご飯、どうやら定番のようだ。


◆お店情報
小掌灯香鍋
東城区金宝街東段路北小雅宝胡同62号
010-6512-5254
P1080789.JPG
<アクセス>
朝陽門から西に伸びる朝陽門内大街と
建国門から西に伸びる東長安街の間にある金宝街にあります。
かなり二環路寄りで、二環路と朝陽門南小街の中間あたり。道の北側。
「大年三十」という餃子屋の向かいにある胡同を入っていったところです。
P1080787.JPG
(ココから胡同入る)


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2013年04月02日

【悠航鮮啤吧(Slow Boat Brewery Taproom)】悠航鮮啤

SLOW BOAT BEER
悠航鮮啤(you1hang2xian1pi2)
P1080856.JPG
【ところ:東四八条/ねだん:1杯30〜55元】

北京でビール作りをしているアメリカ人がいると聞いたのは、
確か去年の春のこと。
「そんな志のある面白い人がいるんだ……」
とひどく驚いたものだったが、
そのビールを初めて口にしたのは胡同の隠れ家ベトナム料理レストラン、
SUSUでのことだった。

▼SUSUについてはこちらをどうぞ。
【SUSU(蘇蘇)】隠藏在胡同最深処的越南菜館
【SUSU(蘇蘇)】越南菜
【SUSU(蘇蘇)】越南菜(之二)
【SUSU(蘇蘇)】越南煎餅

それが悠航鮮啤(you1hang2 xian1pi2)=Slow Boat Beerとの出会い。

「悠航」、つまりSlow Boatはアメリカの作曲家Frank Loesserの名曲、
『On A Slow Boat to China』から取ったもの。
長く歌い継がれる不朽の名曲が、
中国とアメリカの文化をつなぎ友好の架け橋となっているのにちなんで、
アメリカのビール文化を中国へと伝えたいとの願いを込めてつけたのだそうだ。

ロゴもこの曲にちなんだものになっていて、
曲を知っている人にとっては「ニヤリ」とする心憎いデザインだ。
でも日本人にとっては、
村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』を連想して「ニヤリ」かな?

さて、そのスロウボート・ビールがバーを出したというので、
週末の午後を使って足を運んでみた。
場所は東四八条の胡同。

地下鉄5号線の「張自忠路」駅が最寄だ。
C出口を出て南に下り、
2本目の胡同を入って東へしばらく行ったところにある。

P1080849.JPG
(↑曲がるのはココ!)

胡同の中間よりは少し西側寄り。

P1080851.JPG
(実はオープンは去年の12月とか)

休日は午後2時開店。
食事はあまり豊富ではなさそうだったので別のところで済ませ、
食事中ビールを飲みたいところをぐっと我慢して3時過ぎに張り切って行ってみたら、
お客は私たちを除いて1組だけ。

P1080853.JPG

そりゃそうだ。
いくら休日でも午後も早よからグビグビ飲みにやって来る酔狂はいないってか……

さて、注文である。
ちゃんと予習してから行けばよかったのだが、
スロウボート・ビールのラインナップについて全く知識のない私は、
「黄啤(huang2pi2)を2つください」
なんていう、いかにも中国的な注文をしてしまった。
だってね、北京にいくつかある自家製ビールを飲めるお店では、
たいてい「白、黄、黒」の3種類を出していて、
注文はそれで済むんだもの。

ところが、ここのビールのラインナップは想像を越える豊富さだったのだ。
なんと全部で12種類!

P1080859_1.JPG

P1080868_1.JPG

*なんかもういろいろあるので、
 詳しくはこのページで確認してくださいませ。

そうと知れば、片っ端から飲んでみたくなるのが人情。
オーナーに勧められるまま、
とにかくあれこれガブガブ飲んでしまうことになった。

薄れゆく記憶をたどって飲んだビールを挙げてみると……

DOGWATCH 1600 WHEAT(薄くてすっきり。ちと物足りなかった)
ALL HANDS AMBER ALE(こくあり。ほんのり酸味で飲み口すっきり)

THREE SHEETS COFFEE PORTER(コーヒー味だよ、ホント!)
TWO-SIX OATMEAL STOUT(オートミールの甘い風味と酸味)

P1080858.JPG

FLYING WHALE IPA(蜜蘭香鳳凰単叢だよ!ライチとかマンゴーの味だよ!)
CAPTAIN’S PALE ALE(すっきり飲みやすかったような?)

P1080861.JPG

と、この辺まではそれなりに覚えているのだけれど、
この後はもう朦朧としてはっきりしない。

OREGON STEAMBOAT LAGER
(SUSUで飲んだのこれのはず。でもその時の印象ほど苦くなかったような?)
あたりは確か飲んだ。

P1080862.JPG

おそらく他にも何杯か飲んでいるはずなのだが、
どうにも、記憶が……

P1080867.JPG
(もはやどれがどのビールは皆目不明)

でも特に気に入ったのは
広東のウーロン茶鳳凰単叢、それも蜜蘭香の味がしたFLYING WHALE IPAと、
コーヒー味のするTHREE SHEETS COFFEE PORTERだった。
特にFLYING WHALE IPAが他とは違っていて面白かった。

これをまた飲みたいのと、
興味があったのに売り切れで飲めなかった
SEA ANCHOR IMPERIAL VANILLA STOUTを飲みに、
近日中の再訪を期している。

陽気が良くなったら胡同にテーブルを出して
屋外で夜風に吹かれながらビールを楽しめるとのこと。
これからの季節、これは気持ちいいこと間違いなーし!

*食べ物はサンドイッチ、ホットドッグ、ハンバーガーなど。
 曜日によってはドイツソーセージやチーズが出る模様。
 詳しくはお店の微博でご確認ください!

 ちなみに私たちのおつまみは
 この麻辣花生(ma2la4hua1sheng1)=ピリ辛ピーナッツでした。

 P1080857.JPG
 
 これが結構合うのね。


◆お店情報
悠航鮮啤吧(Slow Boat Brewery Taproom)
東城区東四八条56-2号
010-6538-5537
P1080851.JPG
<アクセス>
地下鉄5号線の「張自忠路」駅のC出口を出て南に下り、
2本目の胡同を入って、
P1080849.JPG
(↑ココを曲がります)
東へ100mほど行ったところ。道の南側にあります。
胡同の中間よりは少し西側寄りです。

▼お店(ブリュワリー)のホームページはこちら。
slow boat brewery   


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2013年04月01日

【三様菜】三元爆肥腸

豚大腸とうずら卵の炒めもの
三元爆肥腸(san1yuan2 bao4 fei2chang2)
P1080554.JPG
【ところ:工人体育場/ねだん:52元】

スター級とまではいかないけれど、
この料理も三様菜に来たらぜひ食べたい料理の一つ。
こってりむにゅむにゅの豚の大腸と
揚げたうずら卵、パプリカを甘辛いタレで炒めた料理だ。

見た目は赤くていかにも辛そうだが、
むしろ甘みを強く感じる味付けで食べやすい。

大腸はしっかり脂がのっていて、ウニウニのムニムニ。
クチュクチュと噛むごとに、
一度油通しして閉じ込めたモツの旨味がジュクジュクと染み出してくる。

ほっほっ、こりゃたまらん。
これで白酒をカーッといったらさぞ旨かろう。

***

と、この調子で三様菜の料理を紹介していくときりがないので、
これまでに食べた料理をひとまず一気にご紹介しようと思う。

まずは前菜の部。

文君泡菜(wen2jun1 pao4cai4):19元
四川風野菜ピクルス

P1080540.JPG

これ、意外としっかり辛かった。

蒜泥白肉(suan4ni2 bai2rou4):36元
ゆで豚バラ肉のニンニクソース

P1080545.JPG

ほんのりあったかくて、ソースがお肉にしみていい感じ。

紅油棒棒鶏(hong2you2 bang4bang4ji1):39元
ラー油たっぷりバンバンジー

P1080544.JPG

もっと真っ赤なタレがかかったのを想像していたけど、
意外に地味な色合い。

米椒涼粉(mi3jiao1 liang2fen3):19元
でんぷんヌードルのミニ唐辛子風味和え

P1080543.JPG

つるぷる涼粉。
箸で持ち上げようとするとプチプチ切れちゃって苦労した。
米椒がきいてて見た目より辛い。

藍苺山薬(lan2mei2 shan1yao4):28元
ヤマイモのブルーベリーソースがけ

P1080546.JPG

四川料理レストランに来ると、
定番ものを味見しようとついつい辛いものばかり頼んでしまいがち。
だから1品か2品はこんな甘い前菜を取るようにしている。

ヤマイモとブルーベリーソースを組み合わせたこの料理はここ数年の流行りもの。
賛否両論あるようだが、私は結構好き。
それに辛さから逃げるための「オアシス料理」としては大変優秀。
その証拠に、ある日の食事会ではおかわり要望が出るほどの人気だった。

続いてメイン料理。

方竹笋焼牛腩(fang1zhu2sun3 shao1 niu2nan2):48元
シホウチク(四方竹)と牛肉の煮込み

P1070484.JPG

シホウチク(四方竹)は、切り口が四角に近いことからこの名前がある。
お肉と一緒に煮込んだり、
干したものを火鍋の具にしたりするのが一般的な食べ方かな。

かなりしっかりとした歯ごたえ(まあつまり固いってことなんだけど)が魅力。
噛めば噛むほど滋味が出て、タケノコ好きにはたまらない。
一緒に煮込んだ牛肉もやわらかく煮汁がよくしみていけるが、
主役はやはりシホウチク。
量もどっさり入っているので存分にその旨味を堪能できる。

激情水煮魚(江団)(ji1qing2 shui3zhu3yu2)(jiang1tuan2):319元(1.9斤)
水煮魚(江団)

P1080558.JPG

激情と来たね。
魚は奮発して江団。
ぷるぷるコラーゲンたっぷりで、身はむっちむちのおいしい魚なので、
桂魚やナマズの水煮魚に飽きた方は一度お試しを。
値段はちょっと張りますが、それだけの満足は得られると思います。

酸湯肥牛(suan1tang1 fei2niu2):58元
牛肉のサワースープ煮

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ここ数年四川料理レストランでよく見かけるようになった料理。
発祥はどこかなあ?
酸味はお酢由来で、結構しっかり酸っぱい。

麻婆豆腐(ma2po1 dou4fu):18元
麻婆豆腐

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一応味見のつもりで。
花椒控えめで、本場の味というより日本の中華といったほうがいいかも?
食べやすいけど、なんとなく納得できない感が残った。

……と言いつつ、これはお約束ってことで。

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麻婆丼にはいい感じ。

養顔時蔬譲藕片(yang3yan2 shi2shu1 rang4 ou3pian4):42元
レンコン入りさつま揚げと野菜の炒めもの

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(この「譲」ってどんな意味かな?重慶の方言?)

メニュー写真が彩りよくておいしそう、というので頼んでみたら、
登場したお皿にはなんとさつま揚げらしきものが!
エビ入り団子でレンコンをくるんで揚げてあるのだった。
ほー、こりゃうまい!

鵝肝醤鮮菌(e2gan1jiang4 xian1jun1):38元
エリンギのフォアグラ風味揚げ

P1080552.JPG

重慶料理ってわけでも江湖料理ってわけでもないと思うけど、
メニューを見ているうちに
「鵝肝醤……なになに?それってフォアグラ?」
と盛り上がったので注文してみた。

値段からしてフォアグラが本当に入っているとは思えないし、
フォアグラの味がしたかというとなんとも言えないが、
これがあなた、いけましたのよ。

いわゆる一つの、ポテチ味。
それも輸入スーパーで売ってる20元くらいする舶来(死語か)ポテチの味。
ジャンクフード育ちの細胞に深く刻まれたあの「おいしさ」爆発で、
大好評を博したのだった。

魚香茄子(yu2xiang1 qie2zi):32元
ナスの魚香ソース炒め

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ナス好きさんと魚香ソース好きさんに捧ぐ。
かなりボリュームあり。
心行くまでどうぞ。

豆湯豌豆苗(dou4tang1 wan1dou4miao2):48元
エンドウマメのスープ(葉っぱ入り)

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これはオススメ!
ほこほこ、ホツホツとしたお豆と、みずみずしくて青臭い葉っぱが合体した、
エンドウマメ尽くしのスープ。

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お豆が少し崩れ気味でずくずくしてるところもツボ。
なんとなくほっこりやさしい気持ちになれるスープだ。

そして最後にデザート。

瓜仁紫薯餅(gua1ren2 zi3shu3 bing3):4元
ヒマワリ種つき紫芋団子

P1080565.JPG

ヒマワリの種と紫芋の組み合わせなんて、魅力的!
と思ったら、思わぬ伏兵が……
なんと、紫芋あんの中にこんなものが!!!!!

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肉松(rou4song1)。
それは肉でんぶ。

こいつが調理パンやサンドイッチに紛れ込んでいるのが解せない。
ましてや紫芋あんの中に肉松(「にくまつ」と呼んで忌み嫌っている)。
解せない。

ということで、すっかり取り除いて食べた。
肉松なければおいしいデザートだったのにな。
次頼む時は「肉松抜き」でお願いしてみよう。

***

最後のデザートはケチがついたけど、
ほかはどれもおいしかった。
まだ食べていない料理も多いので、もう何回か通ってみたい。


▼これまでの「三様菜」関連記事
【三様菜】口福泥鰍
【三様菜】涼拌素三様
【三様菜】干焼鱔段


◆お店情報
三様菜
朝陽区工体北路8号工人体育場北門西側
010-6552-3499
P1070471.JPG
<アクセス>
工人体育場の北門を入り、
スタジアムに向かっていくと右手に見えてきます。

*料理はどれも
「不要放味精(bu2 yao4 fang4 wei4jing1)」(化学調味料を入れないでください)
とお願いしています。


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posted by ayazi at 00:00| 北京 | Comment(4) | 川菜(四川料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする