有機農場に行ってみた
走進有機農場(zou3jin4 you3ji1 nong2chang3)



【ところ:昌平区小湯山/ねだん:−】
有機野菜しゃぶしゃぶを食べた潤田農園は
燕沙橋から京承高速経由で40分ほどのところにある。

潤田農園を経営しているのは
賽音(サイイン)さんと巴図烏拉(バトウラ)さんのご夫妻。
お二人ともモンゴル族だ。
賽音さんは日本に留学し働いたことがあり、日本語が堪能。
巴図烏拉さんも日本語検定1級を持っていて
日本語での交流には問題ない。
当日は技術指導をしている信州大学名誉教授の酒井信一さんと
ジャパンバイオファーム監査役の竹田恭一さんが訪燕して
見学ツアー参加者を迎えてくださった。

(左から)
竹田さん、酒井さん、サイインさん
まずは農園内の管理棟へ。
するとそこには、潤田農園で収穫された野菜がずらり。

一気にテンションが上がる。
試食OKと聞かされてさらに興奮。

まず目を引いたのがこれ。
小西紅柿(xiao3xi1hong2shi4):ミニトマト
つややかではちきれそう。
皮がしっかり固くて、
その皮を噛み切るとプチュンと甘酸っぱい果肉が口の中に飛び出してくる。
◆代表的な料理◆
こちらではフルーツ扱い。
料理にはあまり使われない。
・水果拼盤(shui3guo3 pin1pan2):フルーツ盛り合わせ
にフルーツのふりして登場するくらいかな。
芹菜(qin2cai4):セロリ
これはたぶん芹菜のほう。
西芹(xi1qin2)も同じくセロリなんだけど、
これよりもっと茎が幅広くいタイプのものを指すように思う。
それにしても、このセロリの元気そうなこと!
◆代表的な料理◆
・[火倉]拌芹菜(qiang4ban4 qin2cai4):ゆでたセロリの和えもの
・芹菜腐竹(qin2cai4 fu3zhu2):セロリと中国湯葉の和えもの
・猪肉芹菜餃子(zhu1rou4 qin2cai4 jiao3zi):豚肉とセロリの餃子
そして蕪だよ!蕪!
蕪菁(wu2jing1):カブ
(または「蔓菁(man2jing1)」)
(ただし、実際にこの名前で呼ばれているかどうかは買ったことないんで不明です)
北京で蕪初めて見た。
感涙。
(と思っていたのだけれど最近は三源里の市場で売ってるそうです)
◆代表的な料理◆
??
まだまだあるよ。
青椒(qing1jiao1):ピーマン
・・・・・・と思っていたのだが、
よくよく考えてみるとこれ、緑のパプリカかな?
大きくて肉厚、みずみずしい。

果実のような甘みがあって、
ピーマン独特の青臭い野菜臭がない。
パプリカというと日本では赤と黄が主流で緑はあまり見かけないが、
ヨーロッパでは緑もとてもよく食べられているそうだ。
ピーマンとパプリカの区別は中国語でもよくついていないというか、
私みたいにピーマンとパプリカを混同している人も多いようで
緑のパプリカを中国語でなんと言うかはっきり分からない。
青椒(qing1jiao1)で大くくりにしている人もいるし、
ピーマンは青椒(qing1jiao1)で
パプリカは柿子椒(shi4zijiao1)、甜椒(tian2jiao1)、
もしくは灯籠椒(deng1long2jiao1)と呼び分けている人もいるみたい。
なんにしても、これはいわゆるピーマンではなさそう。
道理で子供たちが生でかじっていたわけだ。
ただ、パプリカであったとしても、
子供たちが畑からもいだものをそのままリンゴのように丸かじりし、
帰る間際にも
「もうないの?」
「もっと食べたい」
とねだる姿はかなり感動的だった。
◆代表的な料理◆
・青椒肉絲(qing1jiao1rou4si1):ピーマンと細切り豚肉の炒めもの
・地三鮮(di4san1xian1):ピーマン、ナス、ジャガイモの炒めもの
・炒三片(chao3 san1pian4):ピーマン、ジャガイモ、豚肉の炒めもの
油麦菜(you2mai4cai4):油麦菜
クセのない葉物野菜。
生でも炒めてもおいしい。
◆代表的な料理◆
・麻醤油麦菜(ma2jiang4 you2mai4cai4):油麦菜のゴマダレがけ
(「麻醤鳳尾(ma2jiang4 feng4wei3)」とも言う。葉の形が鳳凰の尾に似てるから)
・清炒油麦菜(qing1chao3 you2mai4cai4):油麦菜の炒めもの
*他にもお鍋の具材としてよく使われる。
油菜(you2cai4):チンゲンサイ
やー、元気だね!
北京あたりではこの名前で通っている。
青梗菜(qing1geng1cai4)と言っても通じないかも。
◆代表的な料理◆
・香末菜(xiang1gu1 you2cai4):シイタケとチンゲンサイの炒めもの
小白菜(xiao3bai2cai4):小白菜
結球しない白菜。
日本ではパクチョイという名前で売られている模様。
◆代表的な料理◆
・蝦皮小白菜(xia1pi2 xiao3bai2cai4):干しエビと小白菜の炒めもの
*餃子や餡餅の具としてもよく使われます。
豇豆(jiang1dou4):ササゲ
長豆(chang2dou4)とも呼ばれている。
◆代表的な料理◆
・涼拌豇豆(liang2ban4 jiang1dou4):ササゲの和えもの
・姜汁豇豆(jiang1zhi1 jiang1dou4):ササゲの生姜風味和え
・肉末豇豆(rou4mo4 jiang1dou4):挽肉とササゲの炒めもの
*肉絲(rou4si1)=細切り肉と一緒に炒めることも。
芥蘭(jie4lan2):ガイラン
◆代表的な料理◆
・清炒芥蘭(qing1chao3 jie4lan2):ガイランの炒めもの
南瓜(nan2gua1):カボチャ
このタイプの小さめのほっくりしたカボチャ、
北京ではあまり見かけない。
北京で売られているカボチャって、
煮てもふっくらした仕上がりにならないんだよな。
甘みも足りないし。
食感がいいので炒めものにはとてもいいけどね。
◆代表的な料理◆
・南瓜百合(nan2gua1 bai3he2):カボチャと百合根の甘煮
・南瓜餅(nan2gua1bing3):カボチャの揚げ餅
茄子(qie2zi):ナス
これは長ナス。
丸いのもよく食べられている。
◆代表的な料理◆
・魚香茄子(yu2xiang1 qi2zi):ナスの魚香ソース炒め
・焼茄子(shao1qie2zi):ナスの炒めもの
・炸茄合(zha2 qie2he2):ナスの挽肉はさみ揚げ
・地三鮮(di4san1xian1):ナス、ピーマン、ジャガイモの揚げ炒め
白不老(bai2bu4lao3):インゲン
サイインさんに
「これも扁豆(bian3dou4)とか四季豆(si4ji4dou4)って言うんですか?」
と聞いたら、この名前を教えてくれた。
◆代表的な料理◆
東北地方で煮込み料理に使われる。
干したものを煮込んでもおいしい。
地豆(di4dou4):インゲン
普通のインゲンみたいに見えるけど、
「じゃあこれは?」
と聞いてみると
「地豆」
とのお答え。
うーん、でも地豆は落花生のことでは?
インゲンは種類によって名前が違うのか、
それとも地方によって呼び名が変わるのか。
一度整理してみよう。
今後の課題。
◆代表的な料理◆
・干[火扁]四季豆(gan1bian1 si4ji4dou4):インゲンの炒めもの
*四季豆のところは、
扁豆や豆角になっていることもあります。
西葫蘆(xi1hu2lu):ペポカボチャの一種
農園ではズッキーニと呼んでいたけど微妙に種類が違うと思う。
西葫蘆はズッキーニよりは大ぶりで太く、色が薄い。
それに実の凝縮感がなくてフカスカした感じ。
そのフカスカ感とポクッとした食感がこの野菜の魅力。
◆代表的な料理◆
・清炒西葫蘆(qing1chao3 xi1hu2lu):西葫蘆の炒めもの
・蝦皮西葫蘆(xia1pi2 xi1hu2lu):干しエビと西葫蘆の炒めもの
・糊餅(hu1bing3):西葫蘆の細切り入りお好み焼き
窩笋(wo1sun3):ウオスン(セルタス、茎チシャ、ステムレタス)
(実物写真を撮るのを忘れてしまったので以前の写真から)
畑に生えている状態。

畑に植わっているウオスンを初めて見た。
最初油麦菜かと思って近づいたら、ウオスンだった。
葉の部分は基本食べず(鍋の具にしたことはある)、
茎のところを皮をむいて食用にする。
シャキシャキとした食感が軽快でとてもおいしい野菜だ。
日本では「アスパラガスレタス」とも呼ばれているらしい。
一番分かりやすいのは干して漬け物にした「山くらげ」かな?
◆代表的な料理◆
・涼拌窩笋絲(liang2ban4 wo1sun3si1):細切りウオスンの和えもの
・清炒窩笋片(qing1chao3 wo1sun3pian4):薄切りウオスンの炒めもの
・鶏蛋炒窩笋(ji1dan4 chao3 wo1sun3):タマゴとウオスンの炒めもの
*軽く干してベーコンと一緒に炒めたものもおいしい。
*拍子木切りにしたものをお鍋の具にすることも。
尖椒(jiang1jiao1):尖椒
ピーマンとシシトウとトウガラシを足して3で割ったような野菜。
当たると(外れると)辛い。
◆代表的な料理◆
・老虎菜(lao3hu3cai4):尖椒、香菜、キュウリの和えもの
・虎皮尖椒(hu3pi2 jian1jiao1):尖椒の炒めもの
(挽肉が入ることもある)
*トマト、牛肉などと一緒に餃子の具にしてもおいしい。
***
ひとしきり元気な野菜に感激した後は農場見学に出かけた。
潤田農園は総面積5ヘクタール。
1.8ヘクタールのリンゴ園と40棟のハウスがある。

手前にあるのがリンゴ園。
リンゴの木は植えて2年。

有機農法だと収穫を始めるまで8年かかるそう。
この農園でリンゴ狩ができるようになるまであと6年ってことか。
リンゴの木の間には大豆を植える計画だとか。
右手前のハウスにはヒヨコたちが元気に走り回っていた。
あと半年もすれば卵を産むようになるとのこと。

北京のハウスはこんな風に三方を壁で囲われている。

北側一面が壁。

おそらく風除けとこの壁で太陽光を受けてハウス内をあたたかくするため。
暖気もあるね。
ここは苗を育てているハウス。

北京の冬は寒いので、苗を電熱線であっためる。

こんな風に電熱線がセットされている。

最初の野菜ハウスはミニトマト。

ブドウのように鈴なりになるミニトマト。

トマトハウスの中はトマトの青臭い匂いでむせかえるよう。
ん〜いい匂い!!

子供ちゃんたちに大人気だったピーマン(じゃなくて緑のパプリカ)。

リンゴのように丸かじりしててちょっと感動。
植えたばかりのサツマイモ。

秋には芋ほりツアーができるかな?

さすがにこれをかじる子供ちゃんはいなかった。
ナスの花がとてもきれい。

尖椒。

トウガラシじゃないよ。

こういうカボチャ、北京にないのよね。
カボチャの花。

スイカ。

爆発しません。
これ何?

ブロッコリーでした!
***
土作りの現場も見せていただいた。
堆肥の材料にする大豆の茎(たぶん)。

発酵中の堆肥。

温度計の温度は・・・・・・

40度!堆肥風呂が出来る?
まだまだ発酵中。

このフォーク、父も使ってた!
懐かしい。
これがほぼ完成形の堆肥。

近くに寄るとぽわ〜んとあったかい。
菌も元気に繁殖。

堆肥作りコーナーにあったナゾの筒。

中をのぞくと・・・・・・

真ん中に炭を投入して籾殻を燻す。
炭化させた籾殻が土壌アルカリ化に役立つのだそうだ。
堆肥作りを見学できたのは非常に面白かった。
小さい頃実家にはかなり広い畑があって、
堆肥も父が自分で作ったものをやっていたと記憶している。
(ウチの堆肥は家畜のうん○入りだったのでもっと臭かったけど)
土壌をアルカリ性にするといえば、
確か石灰も播いてたなあ。
遊び半分で土を耕したり収穫を手伝ったことはあったけど、
きちんと畑仕事を教わらないままだった。
もっといろいろ教わっておけばよかったな。
***
農場で収穫した野菜はもちろん買える。
みなさん家族でのご滞在なので山ほど購入されていたが、
私は一人暮らしだし、
しばらく家を留守にする予定があったので
買ってきたのはほんのちょっとだけ。
ミニトマト、緑パプリカ。
それから「たくさんお買い上げいただいたのでサービス」の蕪とインゲン。

蕪をスライスしてそのままかじったら、
これが甘いのなんの!

で、蕪刺。

わさび醤油と
オリーブオイル+バルサミコ酢+黒コショウを用意してはみたものの、
実は何もつけずにそのまま食べるのが一番だった。
蕪らしい味と甘みがおいしくて、
シャクシャクとあっという間に平らげてしまった。
他の野菜はしばらく外食が続くので、
蒸篭で蒸して一気に消費。

(蒸しすぎて凹)
こちらも蕪が一等賞。
インゲンがほこほこお豆の風味があって美味、
ミニトマトも甘みが増しておいしかった。
緑のパプリカは生食に軍配。
みずみずしさが際立った。
潤田農園の野菜は宅配プランを利用して購入が可能。
野菜の宅配については
こちらのともこさんのブログでとても詳細に紹介されているので、
引用させてもらっちゃお。
(写真はayazi撮影)
▼3キロセット

3kgセット サンプル
季節に依るが、毎回3~5種類の野菜を宅配。
そのうち、2種類は自分で事前に選べる。
また、「嫌いな野菜」も伝えることができる。
*今は野菜の種類が多いので、種類は多めになるそうです。
1カ月:480元(4回)←1回当たり@120元
3カ月:1380元(13回)←106元
6カ月:2280元(26回)←88元
1年:3880元(52回)←75元
▼5キロセット

5kgセット サンプル
季節に依るが、毎回5〜8種類の野菜を宅配。
そのうち、3種類は自分で事前に選べる。
また、「嫌いな野菜」も伝えることができる。
1カ月:780元(4回)←1回当たり195元
3カ月:2180元(13回)←168元
6カ月:3880元(26回)←150元
1年:6480元(52回)←124元(引用ここまで)
***
今回はかなりの方が宅配の申込をしていたのだけれど、私は見送った。
普段から潤田農園さんの野菜を食べたいとは思うのだが、
家族がいないのと、
普段から外食が多いので消費しきれないと思ったからだ。
宅配は志のある農家を地域の人が支えていくシステムの一環。
それは分かってはいるのだけれど、
でもやっぱり小口で気軽に買えるような方法がないものだろうか。
それはともかく、
農園見学ツアーに行って以来、なんだかやたらと野菜が食べたくなった。
しかも、味のしっかりあるおいしい野菜を生でいきたい。
見学の際に講義をしてくださった信州大名誉教授の酒井さんが
「有機野菜100%にこだわる必要はない。
気にするほうが健康に悪い。」
とおっしゃっていたのがとても印象的だったのだが、
そうは言っても有機野菜のほうが断然おいしいから困ったものだ。
有機じゃないのを気にせず食べることはできても、
おいしくないのを気にせず食べることは難しい。
おいしい野菜があるのを知ってしまったら、
おいしくない野菜を食べられなくなってしまうじゃないか。
農園見学に行ってよかったのか、どうなのか。
個人的にはちょっと罪作りなツアーだったなあ。
▼お店情報
潤田農園
北京市昌平区小湯山鎮西官庄村北
13810203516(賽音(サイイン)さん:日本語可)
010-8559-2109
<アクセス>
京承高速の白馬路(10号)出口から白馬路を西へ。
特殊警察学院を過ぎたらすぐ右折し、道なりに。
黄色く塗られた壁の間をくねくねと進み、
君知雨生態園の看板で左折。
君知雨生態園を通り過ぎたところにあるのが潤田農園です。
(燕沙橋から車で40分ほどで着きます)
<地図>

(クリックすると拡大します)
■ayaziのブログ■
北京。おいしい生活。*旧ブログは現在中国からアクセスできません。
*この
リンク先を経由すると見られるかも。
見たいページのURLを貼り付けてGO!してみてください。
■ayaziの本■
「食」の中国語
出版社:東洋書店
価格:1800円(+税)
「食」にまつわる中国語に絞った料理限定の語学書。
レストランでの「食べる」シーン、「作る」ためのお買い物シーン別の会話集です。
代表的な料理の「レシピ」も付いてます。
詳細は
こちらで。
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東洋書店北京で「満福」 普通がおいしい。本場の中華!
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価格:1100円(+税)
私の「北京で満腹」、もとい、「北京で満福」な日々から生まれた
北京のおいしい食べ物と食文化を綴った本です。
超カンタン「食べる」中国語講座と、
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詳細は
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