2013年07月03日

【徳順楼】爆糊

羊肉の焦げ風味炒め
爆糊(bao4hu2)
P1080925.JPG
【ところ:牛街/ねだん:78元】

爆糊という不思議な名前の料理を初めて口にしたのは
北京に来てからだいぶたってからのことだ。
そんな名前の料理があることも知らなかったし、
あるのを知ってからも意味不明な名前に二の足を踏んでいた。

爆は言うまでもなく爆炒のことだが、
糊っていうのは何だ?
糊をジャジャッと炒める?

実は糊(hu2)はもともと煳(hu2)。
焦げるという意味だ。
つまりこの料理は、
焦げた風味がする炒めものということ。

炒めるのは羊の肉。
羊肉を薄切りにして、
ニンニク、ショウガ、醤油、料理酒、葱、香菜、酢などで炒める。
ただ炒めるだけではなくて、
羊肉に火が通ってからも弱火でさらに蒸し焼きにして
焦げた風味を出す。

焦げた羊肉なんておいしいものかと思うかもしれないが、
焦げ焦げになっているわけではなくてあくまで風味で留めてあるので、
これはこれでなかなかいける。

ご飯のおこげとか、
もんじゃ焼きの焦げとか、
チーズフォンデュの最後の焦げとか、
そういうのをおいしいと思う感覚かな。

とはいえ焦げ風味ばかりが一皿分続くと飽きが来るが、
かなりどっさり入った香菜がよくきいていて
味に変化が出ている。

普通に炒めても十分おいしい羊肉をわざわざ焦げさせるのは、
ある偶然の産物。
清末から民初に、「京韻大鼓」*で活躍した劉宝全という人がいた。
この劉さんは、毎日舞台がはねると
餡餅周という店で爆羊肉(羊肉炒め)を食べる習慣があって、
店ではやって来る頃を見計らって爆羊肉を準備していた。
ところがある日、いつもの頃合に劉さんがやって来ない。
爆羊肉を何度も温め直して待っているうちに、
羊肉が焦げてしまった。
後でやって来た劉さんがそれを食べたところ、
いつもの爆羊肉よりおいしいといって大変気に入ったのだそうだ。

焦げっぽくて、しかも若干油の多さが気にならなくもないけど、
なんとなく後を引くおいしさの爆糊。
次に食べる時は、
遅れてやってきた劉宝全さんに感謝しながらいただくことにしよう。

*「京韻大鼓」
カスタネットの一種と小太鼓を打ちながら
三弦の弦楽器に合わせて語り物をする民間芸術。


▼これまでの「徳順楼」関連記事
【徳順楼】桃仁鴨方


◆お店情報
徳順楼
西城区牛街11号
010-5837-3366/5837-3355-9003
P1080917.JPG
<アクセス>
地下鉄4号線「菜市口」駅D口から広安門内大街を西へ。
牛街の交差点を左折して南下すると、清真寺向かいにあります。


*料理はどれも
「不要放味精(bu2 yao4 fang4 wei4jing1)」(化学調味料を入れないでください)
とお願いしています。


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