2013年03月27日

【無名居】“国宴級”淮揚菜

「政府主催宴会」級の江蘇省揚州地方料理
“国宴級”淮揚菜
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【ところ:麦子店/ねだん:記事参照】

ああもう、今さらって感じだとは思うのだけれど、
実は私、無名居は初めて。

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本店は西直門のほうにあるのだが、
私が行ったのは麦子店街にある燕莎店。
麦子店街は本当によく通るし、
もちろんお店があるのもここが名店だってことも知っていたのだけれど、
なんだか敷居が高くて敬遠していた。
留学生から北京生活をスタートした私には遠い存在だったのだ。

何しろ「国宴級」である。
「政府主催の宴会クラスの料理を出す外国要人接待用のレストラン」だもんなあ……
1972年のニクソン訪中の際も無名居でもてなされ、
ここの清湯獅子頭を大絶賛したんだそうだ。

政府主催の宴会で出される料理は各地の料理のおいしいトコ取り。
もともとの味をベースにしながらも、
辛さや油っこさ、甘さを抑えて外国人でも食べやすくアレンジしてある。
特に無名居は
穏やかな味付けの江蘇省揚州地方の料理=淮揚菜をメインにしているので、
(といいつつ、杭州あたりの料理も入っているので、
地域的には江蘇・浙江料理くらいの広いイメージかな?)
日本人にとってはとても親しみやすい味ということになるのだろう。

透き通ったスープで煮込んだ肉団子の清湯獅子頭(qingqtang1 shi1zitou2)、
押し豆腐の細切りをスープでさっと煮た大煮干絲(da4zhu3 gan1si1)、
杭州の名物料理で鶏を蓮の葉でくるみ土で包んで蒸し焼きにした叫化鶏(jiao4hua4ji1)、
タウナギを旨煮風に炒め煮した響油鱔糊(xiang3you2 shan4hu2)
などが名物料理。
フランス風のエスカルゴのグリルなんてのが入っているのは、
外国人接待用のレストランらしい。

さて、前置きはこのくらいにして、食べた料理のご紹介をば。
まずはやはり、何を置いてもこの料理。

清湯獅子頭(qingqtang1 shi1zitou2):58元
肉団子のスープ煮

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獅子頭と名のついた料理には、
この清湯で煮込んだタイプと
紅焼(hong2shao1)=醤油煮込みにしたタイプがある。
重口味(zhong4kou3wei4)=好みが濃い口な私にはどちらも捨てがたいけれど、
このお店で食べるならやはり清湯だろう。
日本人の口に合うのもこっちかな。

乙女がそっと真綿をたなごころに包み込んでいるような(例えがオッサンだな)
ふっくらやわらかな肉団子を、
これまた清らかなスープで上品に煮込んである。
中に入っているシャキシャキはクワイ?レンコン?

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んー、うまー。
さすがに名物、噂にたがわず美味。
それにほんとにやわらかいんだなー。
これなら歯がなくなっちゃったお年寄りでも問題なく食べられそう。

でも、なんていうんだろうな……
そのやさしさ故に、今ひとつ物足りないというか。
「どうだ!!」とグイグイ強引に押してくる「オレがオレが!」感が薄くて、
ハートをガッチリ鷲づかみにされることはないというか。
北方の粗野な料理になじんでしまったからかしら。

そして1個は多いな。
この日みたいに2人で半分ずつ分けて食べてちょうどいいくらい。

スター料理を押さえた後は、前菜を2つ注文。
ご飯を食べに行ったわけだけど、もちろんお酒も飲むわけで、
そうするとツマミも欲しくなるわけなのだ。

金陵塩水鴨(jing1ling2 yan2shui3ya12):58元
ゆでアヒルの塩味スープ漬け

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南方菜のお店に行くとほとんど例外なくこれを頼んでいるな。

▼塩水鴨マニアぶりはこちらで。
【南京大牌檔】南京菜
【科力淮揚村】淮揚菜(之二)

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こうね、骨周りをしゃぶって旨味エキスを吸う感じがいいんだなあ。
少しずつ、ゆっくり。
酒のアテにぴったり。

私房芥菜(si1fang2 jie4cai4):48元
芥蘭菜とホタテ干し貝柱の和えもの

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野菜ものの前菜が欲しくて頼んだもの。
油を使っていなくてさっぱりしているというので注文。
一緒に和えてあるのはホタテ干し貝柱。
青みの強い、少し苦味のある芥菜と貝柱の旨味の組み合わせ、
なかなかよし。
日本人的には、菜の花をイメージして芥子醤油和えなんてのもいいかも。

臘肉炒野笋干(la4rou4 chao3 ye2sun3gan1):88元
塩漬け干し肉と干し天然タケノコの炒めもの

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「肉団子のほかに何かお肉ものを食べたいなあ。
 でもあまりにも定番の料理もつまらないし……」
と思ってメニューを繰って結局目に付いたのがこれ。
あんまり江南の料理っぽくはなかったが、
干しタケノコがどっさり入っていて、
タケノコに目がない私は大喜びだ。

ほんの少し辛さをきかせたテンメンジャン風の味付け。
気前よく分厚く切った干し肉がほどよい塩気で、
量を食べてもそれほどしつこく感じない。
そして何より、
干しタケノコのシャクシャク、コリコリとした歯ごたえが楽しくて飽きない。

肉汁蘿蔔(rou4zhi1 luo2bo):68元
大根の肉汁煮込み

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本当は豚バラ肉の煮込みでもドーンといきたいところだったのだが、
この日は2人だったので肉料理は控えて素菜(su4cai4)を。
とはいえ、肉汁(牛肉ベースのスープ?)で煮込んだ大根。
醤油煮込みを想像していたのだが、
出てきてみたら赤レンガ色でびっくり。

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腐乳の色かな?
肉汁の味が大根によ〜くしみていて、とてもよかった。

主食はそれぞれ麺をすすった。

陽春麺(yang2chun1mian4):10元
上海風かけそば

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結構醤油味きつめ。

上海葱油拌麺(shang4hai3 cong1you2 ban4mian4):18元
葱油混ぜ麺

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ダメと知りつつ、見かけるとついつい頼んでしまう葱油拌麺。
なぜダメか。
それは、私の味の記録帳には葱油拌麺の最高峰が刻みつけられていて、
いまだかつてそれを越える葱油拌麺に出会った試しがないからだ。

▼葱油拌麺の最高峰
【滄浪亭】上海食い倒れ紀行(三食目)
(いつの間にか、また見られるようになってました、FC2ブログ。
 ああ、麗しの葱油拌麺よ。
 君の姿を拝むのも久し振りだなあ)

そしてその最高峰は、
店の立ち退きと再オープンを経てその本来の味を失い、
もはや幻の味と化してしまった。
葱油拌麺を食べるたびに、
「うまいが、違う。これじゃないんだ、私の求めている味は……」
と打ちひしがれずにはいられないのだ。

だったら葱油拌麺を封印すればいいのだけれど、
未練がましい私はこうしてまた葱油拌麺を頼んでしまう。

葱の焦がし加減、すべて茶色にならず鮮やかな緑が多少残っているあたりに
滄浪亭の葱油拌麺のエッセンスを感じるものの、
やはり別物(当たり前だけど)。

最初っからタレにまみれている麺も、違うんだよなあ。
あの自分で混ぜ混ぜしてタレが混ざり切ってないあたりが、
一口一口味わいが違って趣があるのになあ。

これはこれでおいしいんだけどね……

***

こうして書いていると文句たらたらという印象になってしまうかもしれないけど、
どれもおいしかった。
全般的に上品でおだやかな味付けでホッとする味だし、
とても丁寧に作っていることが感じられて気持ちがよかった。
高いことは高い。
でもたまにはいいか。
定番料理からやや外し気味のオーダーだったので、
次は看板料理を正面から食べてみようかな。


◆お店情報
無名居(燕莎店)
朝陽区麦子店街棗営北里32号
010-6502-1568/6502-1537
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<アクセス>
龍宝公寓の向い。
地下鉄10号線「亮馬橋」駅C出口を出て、
左手にある燕莎友誼商城と亮馬河の間を進み、
木製のデッキ調の橋を渡ります。
そのまま花市場の敷地を突っ切りぶつかった道を左へ。
三全公寓の横を通り過ぎ、龍宝公寓のところで右折すると、
左手にあります。



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