京菜(jing1cai4)
【ところ:東四十条/ねだん:記事参照】
ここ、以前は福家楼だったところ。
通りかかるたびに、
「改装しているなあ。いつ開店かなあ」
と思っていたのだが、
なんと改装ではなく別の店になっていた。
それが四季民福烤鴨店。
(ちなみに以前このブログでもアップしたことのある
灯市口の民福居も四季民福烤鴨店に変わっている)
この日は日本から友人とご両親、さらにそのご友人夫妻が訪燕。
天地劇場で雑技を鑑賞後、近くで食事をということになったのでやって来た。
一度来ようと思っていたところだったので、ちょうどいい機会だった。
実際の文言は忘れてしまったが、
店の入口に「化学調味料は使ってません」的なことが書いてあった。
「それなら注文の時にわざわざ言い添えなくていい。ラクチン、ラクチン」
と思うと同時に、
こんなことを謳う店が出てきたことに感慨を覚えた。
烤鴨店というくらいだから北京ダックがメイン料理なのだが、
ご一行様は前日すでにダックを召し上がっているということだったのでパス。
(なのでダックの味は不明)
さらに、鶏肉が苦手な方、辛いものが苦手な方がいらして、
そして皆さんご年配の方なのであまり油っこいものは避けて、
それほどお腹に負担のないものを……
と、なかなかに制約の多い注文になったのだが、
それが私にはかえっていい勉強になったかも。
友人と相談しながら頼んだものは以下の通り。
水芹苗拌黒豆腐絲(shui3qin2miao2 ban4 hei1dou4fusi1):19元
水芹苗と細切り押し豆腐の和えもの
辞書を引くと水芹はセリと出ているのだが、
これはセリじゃないよな。
クセがなくて食べやすいのだけれど、いったい何だろう?
*コメントをいただいて改めてよくよく見てみたら、
どうもセリかもしれない??という気がしてきました。
(日本のものと同じではないかもしれませんが)
クセがなかったのは苗で香りが弱かったからかも。
(2012/4/18追記)
黒豆腐絲は黒い押し豆腐なのだが、この黒は黒大豆由来?
香醋木耳(xiang1cu4 mu4er3):23元
キクラゲの和えもの
コリコリの肉厚キクラゲ。
こっちにいると当たり前になってしまうけど、
日本からいらした方には新鮮だったようだ。
お酢の爽やかな風味もあってなかなか評判のよかった一品。
芥末墩(jie4mo dun1):26元
ハクサイのカラシ漬け
(上のトビッコ(?)は余計だ!)
辛いのが苦手な方がいるのは分かっていたのだが、
「北京の旧正月には欠かせない伝統的な前菜なんですよ」
と説明しながら食べていただけば
仮にダメでも日本に帰ってから後々話のタネになるかも、
と半ば強引に注文。
抓炒里脊(zhua1chao3 li3ji3):36元
豚ヒレ肉の揚げ炒め
ガリッというくらいしっかり揚げた豚ヒレ肉を
甘辛のタレでからめた料理。
これが意外によくて、密かに箸を運ぶこと複数。
豚ヒレ肉を揚げてあんをからめるというと
甘酸っぱい糖醋里脊をすぐに思い浮かべるけど、
たまにはこっちも悪くないな。
碩果蝦球(shuo4guo3 xia1qiu2):88元
ナッツとエビの炒めもの
なるべくさっぱりした炒めものをと思って注文したもの。
値段が高くつくこともあって
エビの炒めものなんて普段はほとんど頼まないが、
エビものがあると日本からのお客様には喜んでいただける。
それにカシューナッツやアーモンドも日本では結構高くつくので、
こうして料理に使われているとなんだか得した気分になれる。
味は想像した通りさっぱりした塩味。
エビもプリプリでなかなかおいしかった。
永寧豆腐炖自制咸肉(yong3ning2 dou4fu dun4 zi4zhi4 xian2rou4):42元
永寧豆腐と自家製塩漬け豚肉の煮もの
さっぱりしてそうだし、自家製の塩漬け肉にそそられて注文。
豆腐の焼けたような風味が気になったかもしれないけれど、
私はそれが結構好き。
塩漬け肉も塩気がそれほどきつくなく、いい塩梅だった。
銀杏炒百合(yin2xing4 chao3 bai3he2):49元
銀杏と百合根の炒めもの
この組み合わせも日本では高級品。
こちらでは割合普通に炒めものとして出てくる。
百合根ほこほこ。
どの料理もあっさりした食べやすい味付け。
化学調味料を使っていないだけあって、
食べた後に妙に喉が渇くなんてこともなかった。
店内もまずまずきれいだし、
日本からのお客様をもてなすにはなかなかいいお店だと思う。
以前の福家楼も北京の料理が一通り食べられて便利な店だったが、
この四季民福烤鴨店もなかなか使い勝手がよさそうだ。
ダックもあるしね。
ただ、頼んでいたはずのアスパラガスとキヌガサタケの炒めものが
オーダーもれして食べられなかったり、
(だから緑色のない食卓になっちゃった)
最後にチャーハンを頼んだら、
注文からだいぶ経ってから「ご飯がなくなってしまって出来ない」と言われたり、
それではと代わりに頼んだ葱餅も結局出来ないと言われたり、
なんだか最後でトットットッと躓いて尻切れトンボのような印象になってしまった。
まあ来店時間が遅かったので仕方なかったかもしれないが、
ないならないで早めに言ってほしかった。
味がよかっただけに、ちと残念。
ところで、上のほうでもちらりと書いたが、
今回の注文はとても考えさせられるところが多かった。
普段、私が料理を注文すると
「北京に来たのだから北京っぽいものを食べてもらいたい!」
という気持ちが強くなりすぎて、
結果的に味の濃いこってりした料理ばかりになってしまいやすい。
日本からの方とご一緒する時は
なるべく野菜多め、あっさりめを心がけるけど、
普段さっぱりした薄口のものを食べている人にとっては
それでもまだ重めの食卓になりがちだってことだなあ。
北京っぽいものを食べずに帰ってしまうのはもったいないけど、
北京っぽいものばかりを食べて
「やっぱり中華は油っこくてもたれた」
という感想を持って帰ってしまうのはやはり残念だ。
「北京に来たからには北京の味を!」
とこだわるのは私のわがままということなのかもしれない。
◆お店情報
四季民福烤鴨店(東四十条店)
東城区東四十条25号
010-6401-3267
<アクセス>
地下鉄2号線「東四十条」駅A口から出て西へ。
陸橋を越えてすぐのところにあります。
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http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%8A%B9_(%E5%8D%81%E5%AD%97%E8%8A%B1%E7%A7%91)
(日本語版 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%A6 )
中国語版の維基百科で「水芹」で検索したらこのように出ました。
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%8A%B9
中国語で水芹というのは二種類あるようで、学名Oenanthe javanicaのほうはお馴染みのセリでしたが、Lepidium sativumのほうを英語版Wikipediaで調べて判りました。アブラナ科で、英語でGarden cressと言っていたものですが食べたことあります。クセがなくて美味しいです。(日本語で胡椒草と言うは知らなかったし、日本で買ってみたことはないです。)
ありがとうございます!
ただ、料理写真をご覧いただくとお分かりになると思うのですが、この葉っぱ、ちょっと先が割れていて、イタリアンパセリみたいな形状をしているのです。
なのでおそらく別のものではないでしょうか。
(イタリアンパセリだったりして、と思って見てみましたが、こちらは「意大利芹菜」でした。ちなみにパセリは「欧芹」のようです)
……と思って改めてよくよく見てみたら、どうもやはりセリのような気がしてきました。
クセがなくて食べやすかったのは、苗なので香りが弱かったからかもしれません。
よく行っていました。
このお店の前の道は新しく出来た道でしたよね?
京菜とタイトルがありましたので
違った料理かと、
次回のアップを楽しみに待っております。
パソコンの大きい画面で見たら、色といい、葉や茎の様子といい、本当に芹に、より近く見えますね。きっと春先の若い芹なんでしょう。体に良さそうです。
前の通りは平安大道です。
京菜とタイトルをつけることにためらいはあったのですが、かといって適当なものが思いつきませんでした。
ガーデンクレス、確かにちょっと大きくなったものは葉が割れてますね!
ガーデンクレスはピリッと辛いとあるので、今回私が食べたのはやっぱり芹ということでしょうか。
いろいろ教えていただきありがとうございます!