2011年12月29日

【姚記炒肝店】炒肝

豚モツのとろみ煮込み
炒肝(chao3gan1)
P1000248.JPG
【ところ:鼓楼/ねだん:不明(すみません)】

さて、姚記炒肝店は鹵煮火焼がおいしい店なのだが、
店名が炒肝店であるところから見て、
メインはやはり炒肝ということになるのだろうか。

余談だが、鹵煮火焼を店名にしているお店は数あれど、
炒肝を店名にしているお店はあまりないように思う。
ちょっと検索してみた限りでは、
この姚記炒肝店、朱記炒肝店、老北京炒肝店、夕照寺炒肝店、炒肝趙くらい。
扱っている店となるともちろんもっと多いけど。

その炒肝だが、豚モツを使った北京小吃としては
鹵煮火焼とともに2大スター的位置づけにある。
豚の大腸とレバーを大量のニンニクみじん切りの入った醤油味のタレで煮込んで
とろみをつけたもの。
とろみをつけたものなんてもんじゃなくて、
ほとんどゼリーのようなぷるぷる度で煮凝り寸前といった感じだ。

▼「炒肝」については「北京でホルモン!」企画絶賛進行中のおおたまさんの記事をどうぞ。
北京でホルモン!【予備知識編】B「炒肝」

ところで、炒肝の肝はレバーだから分かるけど、
煮込みなのにどうして「炒(chao3)=炒める」という名前がついてるのだろう?
というのは旧ブログ時代から引き継いでいるナゾ。
最初に確かに「炒める」からという説と
満族の言葉で「煮る」を「炒」と言うことからという説もあったりして、
正直よく分からない。

私の旧ブログでも説明があっちゃこっちゃにぶれまくっていて、
同じく炒めものじゃないのに「炒」がついている
「炒紅果(chao3 hong2guo3)=サンザシの甘煮」の記事では、

実は、この「炒(chao3)」は「煮る」という意味なのだ。

これはどうやら満族の言葉からの影響らしい。
満族の言葉ではもともと「炒める、煮る、焼く」といった調理に関する言葉を
すべて「炒」で言い表していて、
それがこの「炒紅果」に残っているということのようだ。


なんて言い切っちゃってるけど(汗)、
後になって同僚の手作り炒紅果を食べた時にその説を披露したら、

そこでさっそく前の記事でも書いた
「炒めないのに炒紅果とは?」の理由を披露したところ、
それを聞いた同僚がDさんに確かめに行った。
帰ってきて一言、
「作るときにちょっとだけど炒めるんだって!」

ありゃ、ayaziの薀蓄、あえなく否定。

でも、ネットを見ているとこの説を主張してる人も結構いるみたい。
今度じっくり調べてみよう。


てな結果に終わっている。

▼「炒」のナゾ
【北平居菜館】炒紅果
 (上のリンク先が表示されない方は、こちらのページからGO!してみてください)
【単位】炒紅果
 (上のリンク先が表示されない方は、こちらのページからGO!してみてください)

そしていまだに「炒」のナゾは解明されていないのだった……

閑話休題。

***

そんでもって炒肝といえばココ!とまず名前の挙がるくらいの有名店が
ここ姚記炒肝店。

▼お店の歴史についてはおおたまさんにご登場願いましょう!
北京でホルモン!【炒肝】A「姚記炒肝店」

おおたまさんも触れていらっしゃるように、
もともと超のつくくらい大人気だったこのお店の人気にさらに火をつけたのが
今年8月に訪中したバイデン米副大統領。

その証拠に、3時半だってのにこの混雑!

P1000252.JPG

これは余談だけど、使う腐乳もこんなに大量なのさ!

P1000251.JPG

庶民的なお店を訪問して公共外交と草の根交流を目論んだのはいいのだけれど、
結局この店の二大看板料理は全く食べずに帰り、
いたずらに客数を増やしたというなんともトホホな結果になった。
(以上、あくまでayazi評)。

▼こちらの記事でその時のことをあれこれつぶやいております。
【北平楼】炒肝

でもお店的には繁盛するのはありがたいことだったようで(当たり前か)、
店内には「バイデン後」に作られたと思しきパネルが……

P1000250.JPG

これ、バイデンさんセットの一部だよね。
キュウリの前菜にコーラって……

で、肝心の炒肝。
一時期、「モツ少なッ!」と思うことがあったけど、
この日は結構たっぷり入っていて満足。
クニュクニュッとした大腸の噛み応えと向き合っていると、
歯の間からモツの旨みがジュワ〜ン。
ほろほろトロリのレバーは舌にまろやか、
煮込みダレのとろみがやさしく口の中に広がったかと思えば、
たっぷり入ったニンニクがガツンと刺激をお見舞いする。
ああ、おいし。

炒肝のお供は包子と相場が決まっていて、
北京っ子は先ず間違いなくこのセットを頼む。

P1000246.JPG

まあ包子自体の出来はそこそこね。

そして仕上げの二鍋頭。

P1000249.JPG

これで1両分。
ここでは量り売りなのだ。
しかもこんなお碗に入れてくれるのだ。
わはは。

うーん、東西爆肚名店で爆肚食べ比べて、
さらには鹵煮と炒肝まで腹に詰め込み、
その間白酒をウィーッ、ウィーッと流し込み、
これが日本人4人のある土曜の昼の過ごし方だってんだから、
なんとも愉快ではないか。
よき友に恵まれて幸せだ。


▼これまでの「炒肝」関連記事
後海・北京小吃紀行〜炒肝
 (上のリンク先が表示されない方は、こちらのページからGO!してみてください)
【姚記炒肝店】北京小吃夜宴
 (上のリンク先が表示されない方は、こちらのページからGO!してみてください)
【北平楼】炒肝


▼これまでの「姚記炒肝店」関連記事
【姚記炒肝店】鹵煮火焼

▼東西爆肚名店食べ比べの模様はこちらから。
【西徳順爆肚王】東西爆肚名店大PK!〜西徳順
【東興順爆肚張】東西爆肚名店大PK!〜東興順


◆お店情報
姚記炒肝店
東城区鼓楼東大街311-1(鼓楼湾東南角)
010-8401-0570
P1000239.JPG
<アクセス>
鼓楼に向かって右(東)側から裏手に続く細い道を入ると
すぐ右手にあります。
最寄の地下鉄駅は2号線「鼓楼大街」駅。
旧鼓楼大街を南下して左折すると鼓楼に着きます。


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posted by ayazi at 00:00| 北京 | Comment(5) | 北京小吃 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
汁気がやたら少なかったり、とろみがついているものを煮る動作が、炒めているように近いという意味でつかわれ始めたらしいですよ。
元は屋台?などで使われた言い方だそうです。
と、大学では教わりました@北京語言
Posted by あおしま at 2011年12月29日 08:02
>あおしまさんへ

ありがとうございます!
確かに炒紅果も汁気が少なくて、煮ている時によくかき回して作りますね。
なるほど!

それはさておき、語言では炒肝の名前の由来なんてことまで教えてくれたんですか!?
私は留学時代「炒肝」なんて全然知りませんでした……
Posted by ayazi at 2011年12月29日 13:38
9月に川弁餐店の情報をいろいろお聞きした未音です。
9月あんなに楽しみにしていたのに、ちょっといろいろあって、遅刻。それで予約していた席がキャンセルされてしまって食事できなかったんです。
12月再度チャレンジ。。。おいしくいただいてきました。お礼が遅れましたがありがとうございます。

中国の友人の勧めで前門の天興居で炒肝も食べてきました。肉まんをつけて食べろという指示もいただき忠実に食しました。

食在中国…楽しかったです。非常感謝!!
Posted by 未音 at 2011年12月31日 21:45
>未音さんへ

少しはお役に立てたのであればよかったのですけれど……
何はともあれ、無事川弁で食事が出来たようでよかったですね!

前門の天興居は実はまだ行ったことがありません。
炒肝発祥の店の流れをくむお店のようですね。
私もそのうち行かなければ!!
Posted by ayazi at 2012年01月04日 14:11
まあほっといてもいなくなるからいいべ。俺達は仲間のフリして(いいね)を送っておけばいいんだべさ。ラーメンの食べ過ぎは良くないってことや病院には必ず行くべきと彼は命を投げて俺達に教えてくれたんだっぺ。有難く受け取ろうよ。これからの俺達は健康をしっかり意識してラーメンを美味しく食べてやるのがあいつへの弔いにもなるだろうっぺ。あいつを忘れても健康は忘れるなw
Posted by コエンフレッホイ at 2022年11月17日 12:02
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