2011年07月23日

【北平居】別了,北平居

さらば、北平居
別了,北平居(bie2le,bei3ping2ju1)
P1280899.JPG
【ところ:地安門/ねだん:不明】

後海エリアにあって、
北京ダックも老北京菜も家庭料理も食べられて、
お店も北京らしい風情ある内装で、
しかもそこそこ清潔、
おまけにとてもお手軽価格。
観光とセットで日本からのお客さんを案内するのに打ってつけで
よく足を運んでいた北平居菜館が
地下鉄8号線の工事で閉店してしまってしばらく経った。
その後、国家大劇院の裏手、新華街に移転していることが判明。
場所こそ変わったものの、
以前と同じ雰囲気と味にほっと一安心。

▼移転先の「北平居菜館」についての記事
【北平居菜館】羊油麻豆腐
【北平居菜館】家常菜(之一)
【北平居菜館】家常菜(之二)

でも、
「懐かしいお店が復活したのはうれしいけど、
 後海エリアにあったからこそ使い勝手がよかったところもあったのになあ」
と思っていた矢先、
以前の後門橋のたもとから目と鼻の先に、
「北平居」として新たにオープンしていることが分かった。

P1280899.JPG

門構えは以前より立派になり、店舗もかなり大きくなった模様。
すでに偵察に行った方の証言によると、
豪華になった分だけグレードも上がったようで、
値段もお高くなってしまったとのこと。
さらにメニューにも広東料理など他地域の料理が増えて、
以前のようないかにも老北京という感じではなくなってしまったらしい。

「嗚呼、北平居よ、お前もか・・・・・・」

なんとなく気持がくじけてしまって足が向かなかったのだが、
ひょんなことからここで食事会をしましょうという話になって
ようやく訪問と相成った。

が、渡されたメニューを手にして、正直なところ途方に暮れた。
メニューのメインを占めるのは、
北京ダック(これはまあいいとして)と広東料理など他地域の料理。
まさに観光客を狙って単価をつり上げるために作られた
なんでもアリなメニューのお手本のようだ。
もちろん北京らしいメニューも載ってはいるが、
他の料理に紛れてしまって意識して探さないと見つからない。
家庭料理にいたってはもっと悲惨で、
写真のない字だけメニューに転落してしまい、
探し出すのにかなり苦労した。

さらに、この日は二階の個室を予約していて、
最低消費金額があったのも痛かった。
単価が低い老北京菜や家庭料理メインだと
なかなか基準金額まで届かない。
お酒の分も含んでくれるとありがたいが、
中には純粋に料理だけで最低消費金額を満たすことを求められることもあって、
そうなるともうお手上げだ。
北京ダックを1羽頼んで200元近くはいくとして、
あとは別に頼まなくてもいい高級きのこスープを奮発して
どうにかこうにか合格ラインにたどり着く、といった感じだ。

まあ、裏を返せば、個室を使うなら安い料理は頼むなってことだ。
個室になれば担当が一人張り付いて何くれとなく世話をやいてくれて
いつもより単価が高くなってもこれならいいかと思わせてもらえれば
別に文句も言わないのだが、
それほどのサービスを受けたとは思えない場合がほとんどなので困ったものだ。

といったつぶやきはさておいて、
あーでもない、こーでもないと悩みに悩んで頼んだ料理はこちら。
(今回は値段チェックを忘れてしまいました)

芥末墩(jie4modun1)
ハクサイのカラシ漬け

P1280900.JPG

えっ、と・・・・・・
この盛り付けは・・・・・・
そしてこのオレンジの粒粒は・・・・・・

P1280902.JPG

もしや、トビッコ??
彩りってやつでしょうか?

食べればとても伝統的な芥末墩なのだけれど、
いかんせんこの盛り付けが・・・・・・
とやたらと・・・・・・ばかりが多くなる中、登場したのがコレ。

拌穿心蓮(ban4 chuan1xin1lian2)
穿心蓮の和えもの

P1280901.JPG

全然オーソドックスな料理じゃないのは分かっていたのだが、
最近気に入っている穿心蓮の和えものがあったのでオーダーしてみたら。

ら。
ら。
ら。

なんと、オレンジ味だった・・・・・・
嗚呼。
なんてことだ。

圓白菜炒粉絲(yuan2bai2cai4 chao3 fen3si1)
キャベツと春雨の炒めもの

P1280903.JPG

これは普通。
ほっと一息。

炒麻豆腐(chao3 ma2dou4fu)
緑豆おからの炒めもの

P1280905.JPG

これはおいしいです。

焼茄子(shao1 qie2zi)
ナスの炒めもの

P1280906.JPG

焼き茄子ではありません。
ナスを素揚げした後、トマトやピーマンなどと炒めたもの。
濃い目の炒めダレがしみてずびずびしているところが旨い。

醋溜白菜(cu4liu1 bai2cai4)
白菜のお酢炒め

P1280907.JPG

ついつい頼む白菜炒め。

鹵煮火焼(lu3zhu3 huo3shao1)
モツ煮込み

P1280909.JPG

豚バラ肉も入った豪華版。
タレがついてくるパターンは初めて。

P1280908.JPG

羊肉の炒めもの
(中国語メニュー名忘れ)

P1280904.JPG

それほどクミンはきいていなかったような。

値段の張るものを頼もうとすると肉物が多くなり、
肉物が多くなるとそれだけでおなかがたまってしまって料理が余ってしまう。
どでかい魚物でも頼めば値段もお高くて最低消費金額埋めにはいいのだが、
泥臭リスクが高いのでなかなか思い切れないんだよなあ。
ぶつぶつ。

精品烤鴨(jing1pin3 kao3ya1)
北京ダック

P1280913.JPG

別に普通のでもよかったのだが、
個室で最低消費金額が決まっていたので値段稼ぎのために豪華版の精品を。
普通のと精品とがどう違ったかは・・・・・・何だったっけ?
すみません。

これはとてもまっとうにおいしい。
大董のようなサクサクでシューッととろけるような皮の軽さや
九花山のようなパリッパリの歯ごたえには及ばないけれど、
ごくごく普通においしい。

実はこの日の食事会、
もともとが、
「北京で一番好きな北京ダックはどこの店のか?」
という話題の中で挙がったのが(移転先の)北平居菜館だったことから
「じゃあ元の場所近くに復活した北平居に行ってみよう!」
ということになって企画されたのだった。
だからダックがおいしければまあ目的のほとんどは果たしたようなもの??

でも本当のお目当てはダック自体ではなく、こちら。

椒塩鴨架(jiao1yan2 ya1jia4)
ダックの骨の塩コショウ揚げ

P1280914.JPG

皮と肉をそいだ後の骨まわりのところを揚げて
塩コショウ風味で味付けしたもの。

残った骨まわりの部分は普通はスープになることが多いが、
北京ダックを出すお店の中には調理法をお客に選ばせてくれるところがある。
北平居もその一つ。

調理法は、スタンダードな鴨湯のほかに紅焼、椒塩などがある。
さらにそのまま持ち帰るという選択肢も。
自分で作る鴨湯はかなりイケルらしい。

私がいつもお願いするのは椒塩。
これね、ものすごくビールに合うのだ。
北京ダック本体よりもむしろこっちのほうが好き。

さてこうして書いてみると、味もなかなかだったし、
まあまあいいじゃないの?と思うかもしれない。
メニューを選んで頼めばまだ以前の北平居らしい料理も楽しめるではないか、と。

でも、私にとっての北平居は終わった、というのが偽らざる正直な心境だ。
客単価を上げるために北京以外の料理を山ほど盛り込んで、
何が「北平」居かと。
メニューからそれこそ目を凝らして探さないと
老北京菜も家庭料理も食べられないなんて、
そんなの私が知っている北平居じゃない(泣)!

敢えて、言おう。
さらば、わが心の北平居。


でもこっち(↓)のお店はこれからも行くと思います。

▼これまでの「北平居菜館」についての記事
【北平居菜館】羊油麻豆腐
【北平居菜館】家常菜(之一)
【北平居菜館】家常菜(之二)


▼お店情報
北平居
西城区地安門外大街29号
010-6402-0012
P1280899.JPG
<アクセス>
鼓楼と地安門の間、マクドナルドの隣にあります。


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posted by ayazi at 00:00| Comment(6) | 家常菜(家庭料理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
悲しくなる気持ちわかります
コストパフォーマンスのバランスと言うのも、その店の価値なんですけど、その辺を無視してしまうとこんなお店になっちゃうのでしょうね

北京は好景気でしょうから、こんな風に変わるお店も多いのでしょうか

一度しか訪れた事のない街ですが、街のいいところはいつまでも残って欲しい物です
Posted by katka(かてぃか) at 2011年07月23日 08:34
食料品もインフレになっている昨今では、皆が設備投資をして経済の風に乗らないと御店はやっていけないのでしょうか?素朴な北京を味わいたい気持ちからすれば、やはり胡同にある素朴な御店に食指が動きますね!
Posted by 龍心 at 2011年07月23日 10:59
>katka(かてぃか)さんへ

なじみで愛着のあったお店だけにちょっとショックだったのです。
後海エリアは今や北京でもかなりの観光地なので、総花的なメニューで各地からの観光客からたくさんお金を落としてもらおうということだと思います。
頭では分かるんですが、気持ち的にはついていけないのでした。
Posted by ayazi at 2011年07月23日 19:15
>龍心さんへ

物価は確かにすごく上がっているので、こうでもしないと採算が取れないんでしょうね。
場所代もきっとだいぶ上がったのでしょう。
胡同の庶民的なお店が少しでも多く残ってくれることを願うばかりです。
Posted by ayazi at 2011年07月23日 19:16
ayaziさん、どうも。

そうですかそれは残念!!
北平居が、また北京っぽいエリアに戻ってきたというのに、
以前の雰囲気とは変わってしまったんですか・・・

北平居は、ayaziさんと行ってから、何度行ったか・・・
大いに気に入りまして、なにかと、皆さんに勧めてきたんですが、
場所が変わってからは、どうもねぇ・・・
それが、また、あの辺りに、戻ってきたというのに、
それじゃぁ、なあ・・・・
やはり、あそこは、老北京菜主体で行かないと・・・
広東菜が前面に出てくるようでは、
ayaziさん書いてるように、「北平」の名がすたるというもんですよ。

そういった声が伝わり、心を入れ替えてくれればイイんだけど、
どうなるんでしょうかね。

いやぁ、残念です。
Posted by 井上@打浦橋@上海 at 2011年07月24日 02:31
>井上@打浦橋@上海さんへ

ご無沙汰しております。

以前よりだいぶ大箱になり、成金っぽい内装になってしまいました。
以前のお店の雰囲気が好きだっただけに、残念です。
いっそのこと店名も変えてしまったのであればあきらめもつくんですけれど・・・・・・
よく通った店だけに失望も大きいです。
Posted by ayazi at 2011年07月25日 07:26
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