酸湯魚(suan1tang1yu2)
【ところ:菜市口/ねだん:記事参照】
北京で地方料理を食べるなら、
駐京弁餐廳、地方政府の北京事務所レストランがお勧めだ。
四川省や貴州省など、
各省や自治区の駐京弁にもおいしくて有名なところが沢山あるが、
自治体レベルとしてはその下の地方都市級の駐京弁にも穴場が多い。
この貴州黔西南駐京弁レストラン「布依人家」もその1つ。
黔西南は貴州省西南部にある黔西南布依族苗族自治州のこと。
プイ族とミャオ族の自治州だが、
「布依人家」と名前がついているくらいなのでプイ族料理中心ということだろうか。
(でもメニューは貴州大廈のものとあまり変わらなかったような気もするが)
今回このレストランを訪れたのは、
ここの酸湯魚がかなり素晴らしくおいしいという話を聞いたため。
酸湯魚は貴州でよく食べられている魚の鍋物だ。
真っ赤なので激辛かと思うかもしれないが、これはトマトの赤。
でも単なるトマトスープではなくて、
米のとぎ汁を発酵させたスープや
貴州特産の野生のミニトマトを塩漬けにしたものなどを加えてあり、
発酵による酸味がある。
それで、酸湯。
酸湯魚だから主な食材は魚。
いろんな魚が選べるが、今回は淡泊で臭みも少ない烏江魚を選んだ。
烏江魚(wu1jiang1yu2):180元
烏江魚
二斤八両。
一斤が58元だから162(.4)元。
それに足されている18元はベースのスープ代かな?
烏江魚は貴州を源流とする烏江で産する魚。
ナマズによく似ている。
姿は似ていてもナマズとは別の魚だと認識していたのだが、
(今いろいろ見ていたらナマズ目であることは間違いないみたい)
「実のところナマズ」と言う人もいる。
それどころか、
「烏江で獲れる魚はなんでも烏江魚」なんていう乱暴なことを言う人まで。
ネットで見てみても、
ナマズだとか、ナマズじゃないとか、
都市部では手に入りにくいのでナマズで代用されているとか、
レンギョ系の魚だとか、
なんだかいろいろ説明があって混乱しており、
正直なところよく分からない。
「布依人家」で頼んだものは面構えからしてかなりナマズだが、
以前貴州省の駐京弁レストランで食べた時はこんな感じの魚で、
(上のリンク先が表示されない場合は、こちらのページでGOをクリックしてみてください)
ナマズとは明らかに尾びれの形状が違っている。
(ちなみにナマズの尾びれはこんなです)
「布依人家」の烏江魚の尾びれはどんなだったかなあ?
残念ながら水没しているので判別不能。
烏江魚の正体探しはひとまずさて置き、
酸湯魚に話を戻そう。
テーブルにやって来た時は
なかなかグロテスクな魚の死骸的なビジュアル。
人によってはこの時点で食べることを放棄してしまいそうになる。
(事実、「イジメか?」と怒り出してしまった御仁を知っている)
それを見て見ぬふりをしてくつくつとしばらく煮こんでいくと、
切るのに失敗した沢庵みたいだった魚が切り身化し、
火が通って見た目の生々しさが弱くなってくる。
こうなればもう食べ物として見られるようになるかな?
まずはスープそのものの味で烏江魚を食べてみた。
スープはとてもあっさり。
でもその分ちょっとコクが足りないかな。
個人的には貴州大廈のほうが好みかもしれない。
烏江魚はほろっとやわらかく淡泊。
ナゾの多い君だけど、お味は確かだね。
酸湯魚は特製のつけダレにつけて食べるのが一般的だ。
糊辣椒と呼ばれる貴州独特の炒りトウガラシや腐乳、ネギなどを入れた
(糊辣椒は不思議なことに鰹節みたいが味がするのだ!)
タレの素に酸湯を注いでつけダレを自作する。
小料(xiao3liao4):3元
つけダレ用調味料
これにスープを注ぐと、マイつけダレの出来上がり。
日本だと鍋は肉や魚と一緒に野菜や豆腐も投入してしまうことが多いが、
中国ではたいていメインの食材だけをひたすら食べる。
まずは烏江魚とじっくり向き合おう。
ひとしきりメイン食材を食べたら、
おもむろに野菜その他を投入。
薄荷(bo4he2):18元
ミント
貴州料理に欠かせないミント。
鍋にミント。
最初はびっくりしたけど、慣れると今度は欠かせない。
すぐにしぼんでしまうので、投入したら即食いで!
香菜(xiang1cai4):12元
香菜
香菜もクセになる野菜。
今では大好物だけれど、最初の2回はうぇえっと思ってた。
食べ続けてるうちにはまった。
私は鍋に香菜を入れるのが大好き。
これもあまり火を通しすぎないほうがいい。
しんなりしたくらいで食べるのがおいしい。
土豆片(tu3dou4pian4):8元
ジャガイモスライス
この発酵トマトスープにジャガイモは合う!
合うったら合う!
煮込みすぎて行方不明にならないよう注意。
油豆皮(you2dou4pi2):8元
湯葉
これはスープがよくからむところがグー。
そしてシメは絶品だという米粉。
米粉(mi3fen3):8元
ライスヌードル
(血の池地獄でのた打ち回る白蛇みたいな眺めですが・・・・・・)
こっ、これは確かに!
とてもやわらかいのにブチブチ切れてしまうことがない。
しなやかな弾力があって、
チュルチュルと跳ねるような活きのいい元気な感じ。
これはいくらでも食べられそう!
最初は薄口だと思ったスープも
ここまで来ると魚やら野菜やらの旨みたっぷりで濃厚。
最終的には実にコクのあるウマウマスープになった。
止まらないぞ、これは・・・・・・
食のエンドレスループに入ってしまったのだった。
▼お店情報
貴州黔西南駐京弁餐廳「布依人家」
宣武区菜市口南大街姚家井2巷2号楼前
010-6351-2595
<アクセス>
地下鉄4号線「陶然亭」駅下車。
C出口から出て、「菜市口大街」を南に向かい、
「北京市第15中学」を過ぎた先、左手(東側)にあります。
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しっかしそのルックスはさすがに引きそうだけど、食べるとおいしいんだろうな
煮込む前はちょっとグロテスクですよね。
でも食べる頃には忘れてるので大丈夫です。